ANA　コロナ禍の影響で削減される大型機はどの機体？

ANA（全日本空輸）は10月27日、コロナ禍の影響で旅客数が激減しているため整備費がかさむ大型機を中心に合計33機を2020年度中に退役させる事業構造改革を発表しました。そこで、現在ANAが保有する機材から退役機材を予測してみました。

国際線用B777-300ER

まず、国際線用のB777-300ERについて予測してみます。ANAは、2020年10月時点で合計28機のB777-300ERを保有（リース機3機を含む）しており、Aviation Wireの記事には機齢の古い大型機を中心に13機を退役させるとあります。また、2019年に国際線新プロダクトを発表した際に、新規導入の6機（JA793A〜JA798A）以外に既存6機を新プロダクトに改修し、2021年までに新プロダクト機材を12機体制にするとしていました。

新プロダクトへの改修はなるべく機齢の浅い機材が対象と考えられるので、当ブログでは2010年に導入された6機（JA784A〜JA789A）が改修対象と予測します。そこからさらに2015年導入のリース機3機（JA790A〜JA792A）を除くと、残りが13機となり今回発表された退役数とピッタリ合います。したがって、当ブログでは以下の機体番号が2020年度中の退役対象と予測しました。

機種	機体番号	登録年
B777-381ER	JA731A	2005
B777-381ER	JA732A	2005
B777-381ER	JA733A	2005
B777-381ER	JA734A	2006
B777-381ER	JA735A	2006
B777-381ER	JA736A	2006
B777-381ER	JA777A	2006
B777-381ER	JA778A	2007
B777-381ER	JA779A	2007
B777-381ER	JA780A	2007
B777-381ER	JA781A	2007
B777-381ER	JA782A	2008
B777-381ER	JA783A	2008

Source: Flyteam

国内線用B777-300およびB777-200/200ER

次に国内線用の大型機について予測します。まずB777-300については、Aviation Wireの記事によると2機が退役対象と書かれています。ANAのB777-300には、1998年から1999年にかけて導入された5機（JA751A〜JA755A）と2003年導入の2機（JA756AとJA757A）の合計7機があります。単純に予測すると古い機体から退役させると考えられます。ただ、2機のみが対象となっているので、当ブログでは2003年導入のA756AとJA757Aを資産価値のあるうちに売却する可能性が高いのではと予測します。

次にB777-200/200ERについては、8機が退役予定となっています。ANAは2020年10月時点で19機のB777-200/200ERを保有しており、そのうち8機については国内線新プロダクトへ改修すると2019年に発表しています。なお、これまでに4機（JA715A、JA741A、JA743A、JA745A）の改修が完了しています。残る改修対象の4機については、比較的新しい2012年、2013年に導入の2機（JA742A、JA744A）および元国際線用機材で2006年導入の2機（JA716A、JA717A）かと思われます。

そうすると、退役対象となるのは新プロダクトへの改修対象から外れた機材ということになります。中でも機齢が20年を超えるものについては優先的に退役されると考えられますが、売却する場合はなるべく機齢の浅いものを対象にするとも予測できます。したがって、当ブログでは機齢20年以上でWi-Fi未対応の3機（JA702A、JA704A、JA705A）は登録抹消、機齢20年以下で機内リニューアルがされていない4機（JA711A〜JA714A）は全機売却されるのではと予想します。ただ合計8機とあるので、B777−200ERで一番古いJA707Aあたりも退役対象かもしれません。

機種	機体番号	登録年
B777-281	JA702A	1997
B777-281	JA704A	1998
B777-281	JA705A	1998
B777-281ER	JA707A	1999
B777-381	JA756A	2003
B777-381	JA757A	2003
B777-281	JA711A	2004
B777-281	JA712A	2004
B777-281	JA713A	2005
B777-281	JA714A	2005