ニューヨークの国際玄関口であるジョン・F・ケネディ国際空港(John F. Kennedy International Airport: JFK Airport)では、21世紀にふさわしい空港へと生まれ変わるため、大規模なリニューアルプロジェクトが進行中です。2021年8月、同空港を管理・運営するニューヨーク・ニュージャージー港湾公社(Port Authority of NY NJ: PANYNJ)は、パンデミックの影響で着工が遅れていた新ターミナル6について、ヴァンテージエアポートグループ(Vantage Airport Group)、アメリカントリプルI(American Triple I: ATI)、RXR不動産(RXR Realty)、ジェットブルー航空(JetBlue Airways)からなるJFKミレニアムパートナーズ(JFK Millennium Partners: JMP)との間で、官民連携(PPP)に関して合意しました。

新ターミナル6は、JMPが中心となり建設・運営などが行われることとなり、建設に必要な資金約39億ドル(約4,400億円)は全額JMPによって調達される予定です。なお、新ターミナル6が建設されるエリアには、現在ANAが使用するターミナル7も含まれており、今後同社の動向も注目されます。新ターミナル6は2022年中頃に着工し2025年から一部共用開始される予定で、ターミナル7も含めた事業全体での完成は2027年を予定しています。

ターミナル6プロジェクトの完成イメージ
Image: PANYNJ

新ターミナル6の全体イメージです。左半分は、現在のターミナル7を解体したあとに建設されます。

Image: PANYNJ

ターミナル5(イメージの右半分の弧を描いた部分)も含めたイメージです。両ターミナルは接続されて一体的な建物となります。

Image: PANYNJ

エアトレイン(JFK空港各ターミナルと地下鉄などを結ぶ鉄道)とターミナル6を結ぶペデストリアンデッキです。ターミナル6にはエアトレインの駅が2駅設置され、なるべく歩く距離が短くなるように設計されています。

Image: PANYNJ

出発フロアの車寄せエリアです。こちらもターミナル5と一体的な動線となります。

Image: PANYNJ

出発・到着エリア内のイメージです。天井が高くガラスや木材を多用した開放的で温かみのある空間となるようです。

Image: PANYNJ

搭乗ゲートエリアのイメージです。こちらも天井が高く自然光を採り入れた開放的な空間です。なお、JMPのメンバーの1社であるヴァンテージエアポートグループは、去年7月に共用開始したラガーディア空港ターミナルBの開発にも携わっています。

新しくなったニューヨーク・ラガーディア空港ターミナルBについてはこちらから。

JFK空港リニューアル計画の概要
Image: PANYNJ

JFK空港の大規模リニューアル計画は、クオモ前ニューヨーク州知事によって2017年1月に発表されました。具体的な計画内容には、現在使用されている6つのターミナルのうち、2000年以前に共用開始したターミナル1、2、7に関しては建替え、2000年以降に共用開始したターミナル4、5、8に関しては規模を拡大、またはリニューアルするといった内容が含まれています。

左:現在のターミナル配置と動線、右:将来のターミナル配置と動線
Image: PANYNJ

最終的に、現在6つに分散されているターミナルを大きく3つにまとめることで、空港内の複雑な動線が改善される予定です。なお、本プロジェクトの総事業費は総額130億ドル(約1.5兆円)と見積もられています。

新ターミナル・ワン(New Terminal One)

現在のターミナル1は、パートナーエアライン4社(日本航空、ルフトハンザ、エールフランス、大韓航空)を含む官民連携コンソーシアムによって建設され、1998年に共用開始されました。ゲート数は11で、合計20(パートナーエアライン4社を含む)のエアラインが使用しています。また、ターミナル4とともに一部ゲートはエアバスA380に対応しています。

新ターミナル・ワンも、同様のエアラインパートナーとともに事業が進められており、現在のターミナル1、2、さらに旧ターミナル3跡地を利用して建設されます。また、ターミナル4とも接続され一体的な建物となります。2023年以降に一部共用開始予定で、全体の完成は2025年以降となります。

拡張面積新設ゲート数主な航空会社建設費
260,000m2
(新設)
23*日本航空
ルフトハンザ
エールフランス
大韓航空など
70億ドル
(約8,000億円)
*23ゲートのうち1ゲートは小型機のみ対応

Source: Terminal One

ターミナル4(Terminal 4)

ターミナル4は2001年に共用開始し、2013年および2015年の2度にわたって拡張されました。現在のゲート数は26で、30以上のエアラインがターミナル4から発着しています。ターミナル1とともに一部ゲートがエアバスA380に対応しています。今回の拡張・リニューアル工事は2023年夏に完成する予定で、新ターミナル・ワンとも接続されます。

拡張面積新設ゲート数主な航空会社**建設費
14,000m2
(現在: 186,000m2
10*
(現在: 26)
デルタ航空
エミレーツ
シンガポール航空
アシアナ航空
KLM
SWISSなど
約15億ドル
(約1,700億円)
*沖止めスポットのみ
**現在ターミナル4を利用する航空会社がそのまま継続利用した場合を想定

Source: T4

ターミナル6(New Terminal 6

新ターミナル6は、第一段階として旧ターミナル6跡地に建設され、現在は主にジェットブルーが使用しているターミナル5(延床面積: 約60,000m2、ゲート数: 29)と接続されます。その後、第二段階として現在のターミナル7を解体し、その跡地を利用してさらに拡張します。第一段階の完成は2025年、第二段階の完成は2027年を予定しています。

拡張面積新設ゲート数主な航空会社**建設費
107,000m2
(新設)
9*ジェットブルー航空
アラスカ航空
全日空
イベリア航空など
約39億ドル
(約4,400億円)
*B777クラスの大型機に対応
**現在ターミナル7を利用する航空会社がそのまま移行した場合を想定
ターミナル8(Terminal 8)

現在のターミナル8は、旧ターミナル8および9の跡地を利用して建設されました。ターミナルビルは2005年から段階的に共用開始し2007年に全面オープンしました。ゲート数は29で、アメリカン航空とワンワールド加盟航空会社が中心に使用しています。今回の計画では、ターミナルビルの拡張および一部リニューアルが実施されます。拡張部分の共用開始は2022年の予定で、それに合わせてブリティッシュ・エアウェイズがターミナル7から移転する予定です。

拡張面積新設ゲート数主な航空会社**建設費
6,500m2
(現在: 147,000m2
5*
(現在: 29)
アメリカン航空
ブリティッシュ・エアウェイズ***
キャセイ・パシフィック
カタール航空
フィンエアーなど
約3.5億ドル
(約400億円)
*B777クラスの大型機に対応
**現在ターミナル8を利用する航空会社がそのまま移行した場合を想定
***2022年まではターミナル7を利用

Source: JFK Vision PlanPANYNJ

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