ラスベガスとロサンゼルスを結ぶ高速鉄道計画「ブライトラインウェスト」とは

フロリダで都市間鉄道を運行するブライトライン・ホールディングス(Brightline Holdings)は、ラスベガス(Las Vegas)とカリフォルニア州ビクターバレー(Victor Valley)を結ぶ「ブライトライン・ウェスト(Brightline West)」と呼ばれる高速鉄道プロジェクトを計画しています。さらに、将来的にはロサンゼルスの通勤鉄道「メトロリンク(Metrolink)」や建設中のカリフォルニア高速鉄道(California High-Speed Rail)と接続させて、ラスベガスからロサンゼルスまで鉄道のみで移動できるようになる予定です。このプロジェクトが完成すると両都市間が約3時間で結ばれることとなります。

ブライトラインのルート
Image: FRA

ラスベガス〜ロサンゼルス間のうち、先行して着工される予定のラスベガス〜ビクターバレー間の約270kmについては、最高時速320km対応区間として建設される予定です。初期投資を抑えるため単線で建設(将来の複線化には対応)される予定となっています。なおこの区間は、州間高速道路15号線(Interstate 15: I-15)に沿って建設されることになります。

Image: Brightline West

ビクターバレーからロサンゼルスまでの区間については、ランチョ・クカモンガ(Rancho Cucamonga)までの約80km、およびパームデール(Palmdale)までの約105kmの延伸が検討されています。ランチョ・クカモンガおよびパームデールでは、メトロリンク(Metrolink)へ接続、さらにパームデールでは建設中のカリフォルニア高速鉄道にも接続することで、ロサンゼルスまでのアクセスを確保する予定です。

設置予定の駅
ラスベガス

ラスベガス駅は、マッカラン国際空港(McCarran International Airport)の近くに建設される予定で、ホテルやカジノなどが建ち並ぶラスベガス・ストリップ(Las Vegas Strip)へのアクセスも確保される予定です。ブライトラインウェストは、ラスベガス駅建設予定地の土地を既に取得したと報じています。

ビクターバレー駅
Image: Apple Valley

ビクターバレー駅は、カリフォルニア州ビクタービル(Victorville)およびアップルバレー(Apple Valley)付近に位置しています。当駅はランチョ・クカモンガ方面およびパームデール方面への分岐駅となる予定で、同社の車両基地も整備されます。また、駅周辺には、大規模駐車場やモール、集合住宅なども建設される予定です。当駅からラスベガスまでの所要時間はおよそ90分となる予定です。

ランチョ・クカモンガ

Image: Daily Bulletin

ランチョ・クカモンガ駅は、メトロリンクとの接続駅となります。当駅からメトロリンクを利用してロサンゼルス・ユニオンステーション(Union Station)まで行くことができます。現状では、ランチョ・クカモンガからユニオンステーションまでの所要時間は1時間20分程かかるので、ブライトライン・ウェストに接続する速達列車の運行などを検討する必要がありそうです。なお、メトロリンクは非電化路線のため、現状ではブライトライン・ウェストの列車は直通できません。

パームデール駅

Image: City of Palmdale

パームデール駅では、メトロリンクおよび建設中のカリフォルニア高速鉄道と接続する予定です。現在、メトロリンクのパームデールからユニオンステーションまでの所要時間は約2時間となっています。

Image: City of Palmdale

ただ、カリフォルニア高速鉄道への乗り入れが実現されれば、ロサンゼルスまで直通運転も検討されるでしょう。直通運転が実現されれば、こちらのルートの方がロサンゼルスまでの時間短縮効果が期待できそうです。

使用車両
Image: Brightline West

ブライトライン・ウェストは全線電化路線として建設される予定で、車両はシーメンス・モービリティ(Siemens Mobility)の「ヴェラロ(Velaro)」が導入されます。ヴェラロは、日本の新幹線方式と同じ動力分散方式の車両で、ドイツのICE3がベースとなっています。これまでに、AVEやユーロスターなど、ヨーロッパを中心に採用されています。

プロジェクトの状況

ブライトライン・ウェストは、ラスベガス〜ビクターバレー間を2021年に着工し、同区間の開業目標を2024年としていましたが、パンデミックなどの影響を受け着工時期が2022年以降に延期されています。なお、建設期間は3年程度が見込まれているので、同区間の開業は早くても2025年となりそうです。

これまでの経緯

ブライトライン・ウエストは、2005年に発表されたラスベガスとロサンゼルスを結ぶ高速鉄道計画「デザートエクスプレス(DesertXpress)」が前身となっています。デザートエクスプレスは、民間によって設立された「デザートエクスプレス・エンタープライズ(DesertXpress Enterprises LLC )社」によって計画が進められました。2012年には、ラスベガスからアリゾナ州フェニックス(Phoenix)やコロラド州デンバー(Denver)への延伸構想も発表され、同時に「エクスプレス・ウェスト(XpressWest)」という名前に変更されました。

2018年に、フォートレス・インベストメント・グループ(Fortress Investment Group)が当プロジェクトに関する権利を取得したことで、以降はフロリダで都市間鉄道を運行するブライトライン・ホールディングス(Brightline Holdings)の傘下となり、現在は「ブライトライン・ウェスト(Brightline West)」という名称で計画が進められています。

プロジェクト紹介ビデオ
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