米国の鉄道イメージを一新したブライトラインのターミナル駅「マイアミセントラル駅」

ブライトライン(Brightline)は、フロリダ州最大の都市圏を有するマイアミ都市圏とウォルトディズニーワールドなどがあることで有名なオーランドを結ぶ都市間高速鉄道です。同鉄道は、2018年にマイアミセントラル(MiamiCentral)駅〜ウェストパームビーチ(West Palm Beach)駅の区間で運行を開始したのち、2023年9月にはオーランド国際空港駅までの延伸開業を果たしました。そのブライトラインのマイアミ側のターミナル駅となるマイアミセントラル駅は、1963年までフロリダイーストコースト鉄道(Florida East Coast Railway)によって運行されていた旅客列車のターミナル跡地に建設された新駅で、2018年の開通と同時に誕生しました。新しいマイアミセントラル駅は、これまでの米国旅客列車のイメージを一新するモダンで洗練された駅舎が特徴となっています。

マップ
エントランス周辺

ブライトラインの南側のターミナル駅であるマイアミセントラル駅は、ダウンタウンの中心部から北西に少し進んだ位置にあります。現在、駅周辺では大規模な再開発が進行中で、すでにいくつかの再開発ビルが完成しています。

駅周辺では大規模な再開発が進行中で、全ての計画が実現すれば今後大変貌を遂げることになります。

駅エントランス前には、カーブサイド(車両乗降場)が整備されており、ライドシェアなどを利用して駅を利用する際にもスムーズにアクセスできるようになっています。

また、ニューヨーク都市圏などでサービスを提供している「シティバイク(Citi Bike)」と呼ばれるレンタル自転車も利用できます。

エントランス内部

エントランスから中へ進むとまずこのような非常に開放的な空間が出迎えてくれます。

ブライトラインを利用する際は基本的にモバイルチケットを利用するのが便利ですが、エントランス横に設置されている自動券売機を利用して当日券などを購入することも可能となっています。

また、飛行機を利用する際と同様に大型手荷物を預けることができる手荷物カウンターもあり、基本的に空港サービスをモデルにしている印象を強く受けます。

こちらはエントランス階にあるバーレストランで、ブライトラインの利用者以外でも気軽に利用することができます。

エントランス階にはこのような大型LEDビジョンも設置されていて出発前のワクワク感を高めてくれます。

大型LEDビジョンを違う角度から見た様子です。

コンコース階へ行くにはこのエスカレーターで2階へと進むことになります。こちらも非常に開放的な印象で、一般的なアメリカの鉄道駅の印象とは大きく異なります。

コンコース

エスカレーターを上がるとこのような改札口があり、モバイルチケットまたは紙チケットに印刷されたQRコードをかざすことで改札内へ入ることができるようになっています。なお、改札内では簡単なセキュリティチェックがあります。

改札内に入るとお土産などを購入できるミニショップや「MARY MARY」と呼ばれるバーなどがあり、出発前の時間をゆっくり寛ぐことができます。

なお、ブライトラインの列車はプレミアムクラスと普通車に該当するスマートクラスの2クラス制となっており、プレミアムクラスの乗客は軽食やドリンクが用意されている専用のラウンジを利用することができます。(今回、筆者は普通車を利用したためプレミアムラウンジの写真はありません)

列車の発着案内が表示されているディスプレイです。なお、ブライトラインに乗車する際は、アムトラックなどと同様に乗車する列車の発車時刻10分ほど前になるまでホームに行くことはできません。

まとめ

2018年に開業したブライトラインのマイアミセントラル駅は、マイアミとオーランドを結ぶ都市間鉄道路線のターミナル駅にふさわしいモダンで洗練された駅舎となっています。ブライトラインはラスベガスとロサンゼルスを結ぶ高速鉄道路線の建設なども計画しており、マイアミセントラル駅で見られるサービスが、今後、アメリカの都市間鉄道のスタンダートとして広がっていくのか注目されます。

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