カリフォルニア高速鉄道、サンフランシスコ・サンノゼ間の評価書を公表!8月半ばにも整備方法を決定へ

カリフォルニア高速鉄道局(California High-Speed Rail Authority: CHSRA)は10日、サンフランシスコ〜サンノゼ間約43マイル(約70km)区間の環境アセスメント評価書(FEIS)を公表しました。同区間については、サンフランシスコとサンノゼなどを結ぶ通勤鉄道「カルトレイン(Caltrain)」と線路を共有する区間として整備する方針がすでに示されていましたが、新たな通過線の設置やサンノゼ・ディリドン駅付近の高架化の必要性などについて検討が継続されていました。今回公表された評価書では、2020年に公表された準備書(DEIS)と同様に通過線を新設しないA案(Alternative A)が推奨されており、今後、8月17日〜18日に予定されている同局のボードミーティングにおいて承認されれば、同区間の整備方法が決定されることになります。

Image: California High-Speed Rail Authority 2022 Business Plan

カリフォルニア高速鉄道の第一期建設区間(サンフランスシコ〜アナハイム間)については、セントラルバレー区間の119マイル(192km)が既に着工しており、今回のサンフランシスコ〜サンノゼ間の環境アセスメントが完了すると、未着工区間のうち約304マイル(約489km)において整備方法が決定したことになります。また、残る未着工区間であるパームデール〜バーバンク間(約66km)およびロサンゼルス〜アナハイム間(約50km)についても、2023〜24年を目処に環境アセスメントが完了する見通しとなっており、今後は建設資金の確保が最大の焦点となります。

Source: CHSRA

サンフランシスコ〜サンノゼ間で検討中の整備方法
サンフランシスコ〜サンノゼ間の整備方式案
Image: California High-Speed Rail Authority

サンフランシスコ〜サンノゼ間は、全線でカルトレインと線路を共有する方式で整備されます。同区間では建設コストを抑えるために既存の線路を活用するため、一部区間の線路直線化、駅改良および電化工事のみで対応することになります。最高速度は開通当初は時速79マイル(127km/h)となりますが、最終的には時速110マイル(177km/h)まで向上させる予定です。

カルトレインと高速鉄道が線路を共有するサンフランシスコ〜サンノゼ間のイメージ
Image: California High-Speed Rail Authority

なお、既存鉄道と線路を共有する区間における道路との平面交差は最終的に完全に無くす計画ですが、サンフランシスコ〜サンノゼ間の一部では道路との平面交差を残したまま開業する予定です。フロリダのブライトラインでは踏切での事故が多発しているため、踏切の安全対策が非常に重要となりそうです。

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