サンフランシスコの近未来的な交通ハブ「セールスフォース・トランジットセンター」

セールスフォース・トランジットセンター(Salesforce Transit Center)は、サンフランシスコ・ダウンタウンに位置する巨大交通ターミナル施設で、2018年8月にオープンしました。同施設は当初、トランスベイ・トランジットセンター(Transbay Transit Center)と呼ばれていましたが、開業前の2017年に、ビジネスアプリケーションなどを提供するソフトウェア企業「セールスフォース(Salesforce)」が25年間のネーミングライツを取得したため、セールスフォースの名称が付与されることとなりました。現在同トランジットセンターには、長距離路線バス、通勤路線バス、サンフランシスコ市営交通(San Francisco Municipal Railway: Muni)の路線バスなど、バス路線のみが乗り入れていますが、2031年以降には、カルトレイン(Caltrain)およびカリフォルニア高速鉄道の乗り入れも予定されています。

サンフランシスコ、Muniメトロの次世代ライトレール車両「LRV4」とは

サンフランシスコ市営鉄道(San Francisco Municipal Railway: Muni Metro)では、老朽化が進むライトレール車両(ブレーダ製のLRV2およびLRV3)の置き換え、および2022年末以降の開業を予定しているセントラル・サブウェイ(Central Subway)の開業に向けた輸送力増強を目的として、2017年から次世代ライトレール車両「LRV4」の導入を進めています。同車両は、シーメンス・モビリティ(Siemens Mobility)の「S200 SF形」と呼ばれる新型ライトレール車両で、これまでに合計249両が発注されており、最終的には合計279両が増備される計画となっています。新型車両の増備は2027年ごろまで続く予定で、最終的には既存車両全てがLRV4に置き換えられる予定です。

サンフランシスコ・ベイエリアのBARTが大量に導入を進める次世代地下鉄車両「D、Eシリーズ」とは

サンフランシスコ・ベイエリアの都市鉄道「ベイエリア高速鉄道(Bay Area Rapid Transit: BART)」では、車齢50年以上の車両も多く老朽化が著しい既存車両(A、B、Cシリーズ)の置き換えを目的として、2018年から次世代地下鉄車両「D、Eシリーズ」の導入を進めています。同車両は、ボンバルディア(現アルストム)の地下鉄車両ブランド「モビア(Movia)」を採用した新型車両となっており、これまでに合計775両が発注され、そのうち395両(2022年9月1日現在)がすでに製造されています。また、D、Eシリーズは、最終的に合計1,200両まで増備する計画もあり、実現するとピーク時のサンフランシスコ方面へ向かう全列車を10両編成で運行することが可能となるだけでなく、2031年の開通を目指して整備が進められているサンノゼおよびサンタクララ方面への延伸(シリコンバレー・フェーズ2)に伴う輸送力増強用としての役割も果たすことになります。

バンクーバースカイトレイン、Mark III(INNOVIA Metro 300)電車

バンクーバーのスカイトレイン(SkyTrain)で運行されるMark III電車は、ボンバルディアトランスポーテーション(Bombardier Transportation)の自動高速輸送システム「イノビアメトロ(INNOVIA Metro)」の最新モデル「イノビアメトロ300(Innovia Metro 300)」を採用した車両です。Mark III電車は、2016年から2020年にかけて合計84両(4両編成21本)が導入され、現在全車両がエキスポライン(Expo Line)で運行されています。スカイトレインに採用されている鉄道システムであるイノビアメトロは、1970年代に当時のボンバルディアがカナダオンタリオ州の国有企業「都市交通開発公社(Urban Transportation Development Corporation: UTDC)」から購入した技術で、中規模の輸送に適した高速輸送システムとなっています。

アムトラック、パシフィックノースウェストの都市間列車「カスケーズ」の車両(タルゴ8編)

アムトラック(Amtrak)が運行する「カスケーズ(Cascades)」は、アメリカの太平洋岸北西部「パシフックノースウェスト(Pacific Northwest: PNW)」の主要都市であるバンクーバー(カナダ)、シアトル、ポートランドなどを結ぶ都市間列車です。カスケーズには、アムトラックの運行する列車で唯一スペインの車両メーカー「タルゴ(Talgo)」が製造した自然振子式客車が使用されています。タルゴ客車の設計最高速度は時速125マイル(約200km)ですが、カスケーズの走行区間は安全設備等が時速200km対応ではないため、営業列車の最高速度は時速79マイル(127 km)となっています。

リンク、イーストサイド延伸プロジェクト(世界初!浮橋の上を走るライトレール編)

サウンドトランジット(Sound Transit: ST)では、2023年の開業を目指してシアトル・ダウンタウンと東部に位置する郊外都市ベルビュー(Bellevue)やレドモンド(Redmond)などを結ぶ、全長約29kmのライトレール路線「ライン2(Line 2)」を建設中です。この延伸プロジェクトでは、浮橋(Floating Bridge)上にライトレールを走らせるという世界初の試みが進行中です。今回は、その浮橋である「ホーマー M. ハドレー・メモリアル・ブリッジ(Homer M. Hadley Memorial Bridge)」上の軌道建設状況についてフォトレポします。