アメリカ南東部最大の経済規模を有するジョージア州アトランタ(Atlanta)とノースカロライナ州最大の都市シャーロット(Charlotte)を結ぶエリアは、米国運輸省によって南東高速鉄道回廊として指定されており、2008年ごろから高速鉄道の整備に関する検討が実施されています。同区間では、これまでに実現可能性調査(Feasibility Study)と初期段階の環境レビュー(Tier 1 EIS)が完了しており、2021年6月にTier 1 EISの評価書(FEIS)および決定記録(ROD)が公表されました。同評価書では、アトランタ・シャーロット間は、最高速度200〜350km/hで走行可能な高速鉄道専用線として整備することが望ましいと結論づけられており、現在は、プロジェクトレベルの環境アセスメント(Tier 2 EIS)の実施に必要な資金を確保できるかが焦点になっています。
カテゴリー: 注目プロジェクト
アメリカ南東部の都市間鉄道高速化プロジェクト(ローリー〜シャーロット編)
ノースカロライナ州第二の都市ローリー(Raleigh)と同州最大の都市シャーロット(Charlotte)の間は、アメリカ合衆国運輸省によって「南東高速鉄道回廊(Southeast High Speed Rail Corridor: SEHSR)」に指定されている区間となっています。これまでに同区間では、複線化工事や路線改良などを中心とした「ピードモント改良プログラム(Piedmont Improvement Program: PIP)」が実施され、同事業の整備が完了した2018年以降は、アムトラックの都市間列車「ピードモント(Piedmont)」が増発され、所要時間も短縮されました。同区間では今後、ワシントンD.C.からローリーまでの区間で進められているSEHSRの整備に合わせて、段階的に輸送力増強や高速化などが実施される予定となっています。
アメリカ南東部の都市間鉄道高速化プロジェクト(リッチモンド〜ローリー編)
バージニア州の州都リッチモンド(Richmond)からノースカロライナ州第二の都市ローリー(Raleigh)を結ぶ区間は、アメリカ合衆国運輸省によって「南東高速鉄道回廊(Southeast High Speed Rail Corridor: SEHSR)」に指定されています。同区間では、バージニア州旅客鉄道局(Virginia Rail Passenger Authority)およびノースカロライナ州交通局(N.C. Department of Transportation)が中心となって、現在使用されていない貨物線などを活用した高規格都市間鉄道路線の整備事業「R2R(Richmond to Raleigh Southeast High Speed Rail)」が計画されています。同プロジェクトが完了すると、リッチモンドからローリーの間の所要時間が1時間20分程度短縮されるほか、アメリカ南東部(フロリダ州を除く)において初となる最高速度110mph(177km/h)に対応した鉄道路線が誕生することになります。
アメリカ南東部の都市間鉄道高速化プロジェクト(ワシントンD.C.〜リッチモンド編)
アメリカの首都ワシントンD.C.からバージニア州の州都リッチモンド(Richmond)までを結ぶ鉄道路線では、「DC2RVA(DC to Richmond Southeast High Speed Rail)」と呼ばれる都市間鉄道プロジェクトが進行中です。DC2RVAは、アメリカ合衆国運輸省が指定する「南東高速鉄道回廊(Southeast High Speed Rail Corridor: SEHSR)」の整備を目的として、ワシントンD.C.からノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)までの区間で進められている既存鉄道インフラ改良プロジェクトの一つとなっています。同プロジェクトが完了すると、ワシントンD.C.とリッチモンドを結ぶ都市間列車が毎時1本運行に増発されるほか、同区間の最高速度が79mph(127km/h)から90mph(145km/h)へ引き上げられる予定です。
個性的なデザインの駅舎が建設されるハイスピード2の新駅(バーミンガム・カーゾン・ストリート駅編)
英国では、ロンドンとバーミンガム、マンチェスターなどを最高速度360km/hで走行可能な高速鉄道専用線で結ぶインフラプロジェクト「ハイスピード2(High Speed 2: HS2)」の整備が進められています。HS2は現在、2029〜2033年ごろの開業を目指してロンドンとミッドランド西部を結ぶ区間(フェーズ1)の建設が進められており、同区間には4つの個性的な新駅が誕生する予定です。その中において、ロンドンに次ぐ都市圏人口を抱えるバーミンガムの中心部に整備される「バーミンガム・カーゾン・ストリート(Birmingham Curzon Street)」駅は、19世紀以降に整備される英国の鉄道ターミナルとして最大の規模を誇る新駅となります。なお、HS2が開業すると同駅からロンドンまでは約52分、マンチェスターまでは約41分で結ばれることになります。
個性的なデザインの駅舎が建設されるハイスピード2の新駅(インターチェンジ駅編)
英国では、ロンドンとバーミンガム、マンチェスターなどを最高速度360km/hで走行可能な高速鉄道専用線で結ぶインフラプロジェクト「ハイスピード2(High Speed 2: HS2)」の整備が進められています。HS2は現在、2029〜2033年ごろの開業を目指してロンドンとミッドランド西部を結ぶ区間(フェーズ1)の建設が進められており、同区間には4つの個性的な新駅が誕生する予定です。そのうちの一つでバーミンガムの郊外に整備されるインターチェンジ(Interchange)駅は、バーミンガム空港、ナショナル・エキシビション・センター(National Exhibition Centre: NEC)などへのゲートウェイになる予定す。なお、HS2が開業すると同駅からロンドンまで約38分、マンチェスターまで約37分という立地条件を生かして、駅周辺では大規模都市開発も計画されています。