ロングアイランド鉄道、1月25日からグランド・セントラル・マディソン駅への運行を開始!

ニューヨークのマンハッタンとロングアイランドを結ぶ全米最大の通勤鉄道「ロングアイランド鉄道(Long Island Railroad: LIRR)は24日、マンハッタンなどの地下で建設を進めていた「イースト・サイド・アクセス(East Side Access)」において、1月25日(水)から営業列車の運行を開始すると発表しました。始発列車は、クイーンズのジャマイカ(Jamaica)駅を10時45分に出発する急行列車となり、11時7分にグランド・セントラル・マディソン(Grand Central Madison)駅に到着する予定です。なお、今後3週間程度の間は暫定開業期間となる予定で、すべての列車がジャマイカ駅とグランド・セントラル・マディソン駅間での折り返し運転となります。

※LIRR各線からグランド・セントラル・マディソン駅への直通運転は2月27日から開始されました。

歴史的な駅舎が美しいニューヨークのランドマークの一つ「グランド・セントラル・ターミナル」
Image: MTA

Source: MTAGrand Central Madison

イースト・サイド・アクセスについて
ロングアイランド鉄道の路線図
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イースト・サイド・アクセスは、現在、マンハッタンのターミナルとして「ペン・ステーション(Pennsylvania Station: Penn Station)」を使用しているロングアイランド鉄道の列車を、ニューヨークを代表するもう一つの鉄道ターミナル「グランド・セントラル」へ直通させるための路線です。同線は、クイーンズにあるアムトラックのサニーサイド車庫(Sunnyside Yard)付近から分岐して、グランド・セントラル・ターミナルまでの約2マイル(約3.2 km)を結ぶ地下路線で、およそ110億ドル(約1兆4,300億円)という巨額の費用をかけて建設されました。これは鉄道地下トンネル建設プロジェクトとしては世界一高額なプロジェクトの一つと言われています。

イースト・サイド・アクセスの路線図
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当プロジェクトの開業によって、ロングアイランド鉄道沿線からマンハッタン・イーストサイドへのアクセスが大幅に改善されることとなり、およそ半数の乗客がペン・ステーションからグランド・セントラル方面への利用にシフトすると予測されています。また、グランド・セントラルからジョン・F・ケネディ国際空港への所要時間もおよそ15分短縮され40分程度になる予定です。

グランド・セントラル・マディソン駅
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イースト・サイド・アクセスの開業によって誕生する、ロングアイランド鉄道のマンハッタン第二のターミナル「グランド・セントラル・マディソン(Grand Central Madison)駅は、地下およそ50mの深さに建設された2層構造4面8線の駅となっています。これは、1950年代以降に米国で建設された鉄道ターミナル駅としては最大規模となります。なお駅名に付与されたマディソンの名前は、駅の地上部をとおるマディソン・アベニュー(Madison Avenue)が由来となっています。

グランド・セントラル・マディソン駅の断面図
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マディソン・コンコース
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グランド・セントラル・マディソン駅のコンコースは「マディソン・コンコース」と呼ばれ、メトロノース鉄道のホーム階の下にあります。なお、同コンコースにはロングアイランド鉄道のチケットブースやカスタマーサービス、待合所などが設置されています。

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また、デジタルサイネージなども多く設置され、モダンな空間となっています。

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マディソン・コンコースには、ロングアイランド鉄道ホーム階へと向かうエスカレーターが合計4ヶ所あります。

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ロングアイランド鉄道のホーム階は地下約50mの場所に建設されたため、長大エスカレーターでアクセスすることになります。

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グランド・セントラル・ターミナルから一番近い45th Streetのエスカレーターは、最も多い利用が見込まれるため、合計5機設置されています。

ホーム中間階
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二層構造で建設された各ホームへは、ホーム上下階の中間に設置された中間階からアクセスできるようになっています。

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ホーム中間階には、近未来的なオブジェやアート作品などが数多く設置されており、地下空間を華やかに彩っています。

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各ホーム階へと向かうエスカレーターの横には、列車の発着案内を表示するディスプレイが設置されています。

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ホーム階へ向かうエレベーターです。

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下層ホームは天井が高くなっており、上層ホームに比べて開放的な空間となっています。

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また、ガラスが多用された通路からは下層ホームを発着するメトロノース鉄道の車両を眺めることができるような構造になっています。

運行ダイヤ

イースト・サイド・アクセスが開業する1月25日から最低3週間の間は暫定開業期間となるため、以下の暫定ダイヤによる、ジャマイカ駅とグランド・セントラル・マディソン駅間のシャトル列車のみの運行となります。

運行時間帯運転間隔
平日6:15〜20:0060分間隔(朝夕ラッシュ時)
30分間隔(日中)
休日7:00〜23:0030分間隔(終日)
※全列車ジャマイカ駅〜グランド・セントラル・マディソン駅間のシャトル列車として運行

暫定ダイヤ終了後はロングアイランド鉄道各線からの直通運転が開始され、ラッシュ時には上下合わせて最大毎時24本の列車がイースト・サイド・アクセスへ乗り入れる予定です。直通運転開始後のダイヤは(https://gcmtrips.mta.info/)から確認できるようになっています。

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