ロングアイランド鉄道(Long Island Railroad: LIRR)のアプリ「トレインタイム(Train Time)」では、自社で開発したシステム(Global Car Capacity Technology)を使用してリアルタイムで運行列車内の混雑状況を確認できるサービスを提供しています。現在ロングアイランド鉄道とGoogleは、このサービスをGoogleマップの経路検索画面においても提供できるようにするため、共同でパイロットプロジェクトを実施しています。
なお、このパイロットプロジェクトにはロングアイランド鉄道の他、シドニーのニューサウスウェールズ交通(Transport for NSW)も参加しており、Googleマップ上で各車両の混雑状況を表示する世界初の鉄道事業者となるようです。
トレインタイムのスクリーン
ルート検索画面です。ペンステーションから発車する列車を発車順に訪寺しています。
情報を確認したい列車をクリックすると各車両の混雑情報や運行ルートが表示されます。
混雑情報のほかに当該列車がオフピーク運賃で乗車できるかどうかも確認できるため便利です。
混雑情報をクリックすると各車両ごとの乗車人数まで確認できます。
降車駅名をクリックするとドアが開かない車両がないか事前に確認できます。
こちらは出発前やシステムエラーで混雑情報が表示されない場合のスクリーンです。
混雑状況の測定システム
車内の混雑状況を確認できるシステムは2014年ごろから山手線のトレインネットでも提供されはじめ話題となりました。その後、東京の大手私鉄などでも混雑状況の提供サービスが広がりつつあります。混雑を測定する方法には、東急電鉄のように各車両の荷重状況を基に乗車率を測定するもの、東京メトロのようにデプスカメラと人工知能(AI)を用いた列車混雑計測システムなど様々なものがあるようです。
ロングアイランド鉄道のシステムは、車両の形式によって異なる混雑状況の計測方法を採用しており、旧型のM7形電車では車両のサスペンションにかかる荷重状況から、新型のM9形電車ではドア部分に設置された赤外線センサーによって乗客の乗り降りカウントすることで測定しています。
ロングアイランド鉄道では、パンデミックの影響で車内混雑情報はさらに重要性が増しており、自社開発のシステムを世界中の事業者にも横展開していきたいとしています。
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