ジョージア州アトランタ都市圏の都市高速鉄道などを運行するマルタ(Metropolitan Atlanta Rapid Transit Authority: MARTA)は、1月12日に行われた会見(State of Marta 2022)の中で、2023年以降にレッド、ゴールド、ブルー、グリーンラインで運行開始予定の新型車両「CQ400形」のデザインを公表しました。CQ400形の車両デザインについては、利用者の意見を反映させるためのデザイン総選挙が昨年に実施されていました。
その結果インテリアについては、デジタルディスプレイの設置による車内案内表示の充実を求める意見が最も多く、それらを反映したものとなりました。またエクステリアデザインについては、マルタが示した4案の中からミニマリスト(Minimalist)案が選ばれたようです。なおCQ400形は、スイスのシュタッドラー・レール(Stadler Rail AG)によって合計254両が製造される予定です。
デザイン総選挙で示されたエクステリアデザイン4案
デザイン総選挙では、マルタのロゴカラーであるブルー、オレンジ、イエローをミニマリスト(Minimalist)、フローイングリボン(Flowing Ribbon)、ネイバーフッド(Neighborhoods)、トラックス(Tracks)の4つのコンセプトでアレンジしたデザイン案が示されました。選考結果はミニマリストとなりました。
インテリアのデザイン募集についてはこちらから。
Source: Marta
エクステリア
前面デザインの最大の特徴は、運行するラインカラーに合わせて変化するLEDライトが装着されている点です。これにより、利用者は一目でどの路線の電車かを見分けることができるようになります。
ただ気になる点は、トンネル内でのLEDの視認性は良さそうですが、日中の地上区間を走行中はどうなるでしょうか。
かなりインパクトのあるブラックフェースですね。大胆にも前面中央にもってきたマルタのロゴがなかなかカッコいいです。
尾灯点灯中はマルタのロゴも赤色に変化するようです。
当初公開されていたイメージは普通の地下鉄車両のイメージでしたが、地下鉄車両としてはめずらしい流線型の前面デザインに変えてきたところに、シュタッドラーの意気込みが感じられます。
当初公開されていたCQ400形車両のデザインについてはこちらから。
車体側面のカラーリングはミニマリスト案が採用されたため、非常にシンプルにまとまっています。
各ドアの上にもラインカラーを表示するLEDライトが設置されています。
インテリア
車内レイアウト
車内レイアウトは、基本はクロスシートとロングシートが採用されます。ちなみに、上のイメージのクロスシートとロングシートが隣り合ったシートレイアウトは、LAメトロの新型地下鉄車両「HR4000」でも採用されています。
こちらはロングシート部分です。
車端部はオープンエリアとなるようです。
アメリカの地下鉄車両では珍しく車両間貫通路(Open Gangway)も設けられます。なお、車両間貫通路はニューヨークの新型車両「R211」でも導入される予定です。
車内照明はもちろんLEDです。天井の中央に設置されるLEDライン照明はめずらしい気がしますが、照度はどんな感じになるでしょうか。
車内情報案内ディスプレイ
利用者からの要望が最も多かった車内情報案内の充実のため、ドアの上には横長のLCD車内情報案内装置が設置されます。日本の最新型通勤電車と比較しても混色ない感じですね。
ドア上だけでなく、戸袋付近にも大型のディスプレイが設置されています。どういった使い分けをするのか気になるところです。
なかでも特に筆者が注目しているのは、このドア付近の仕切りに設置されるスクリーンです。ガラスサイネージと思われますがAGC製でしょうか?
充電設備
驚いたことに、ワイヤレス充電器が設置されます。
バリアフリー対応
車椅子スペースはドア横に設置され、スムーズに利用できるようになります。
自転車利用者にも配慮してバイクラックも設置されます。
空港利用者にとって重要な大型荷物スペースとしても利用可能なスペースも設置されます。
Source: Marta
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