北米の鉄道大動脈「北東回廊」のボトルネックを解消する「B&Pトンネル移設プログラム」とは?

今年で開通150周年を迎えるボルチモア・ポトマックトンネル(Baltimore and Potomac Tunnel: B&P Tunnel)は、メリーランド州ボルチモアのペン・ステーション付近にある全長約2.3kmの鉄道トンネルで、北米最大の運行本数および旅客数を誇る都市間鉄道路線「北東回廊(Northeast Corridor)」に位置している重要な鉄道インフラです。しかし、同トンネルは老朽化が深刻なため、アメリカ連邦鉄道局(FRA)、メリーランド州交通局(MDOT)、アムトラック(Amtrak)の3者が協力して、B&Pトンネルに変わる新トンネルを建設するプロジェクト「B&Pトンネル移設プログラム(B&P Tunnel Replacement Program)」を進めています。

アムトラック、アセラの最高速度を一部区間で240km/hに引き上げ

アムトラックは、ニュージャージー州のニューブランズウィック(New Brunswick)とサウスブランズウィック(South Brunswick)間の16マイル(約26km)区間において、アセラ(Acela)の最高速度を150mph(約240km/h)に引き上げると発表しました。今回の速度引き上げは老朽化した北東回廊の設備を更新するプロジェクト「コネクトNEC2035(CONNECT NEC 2035: C35)」の一環で実施された信号用ケーブル、架線および架線柱の更新、高速分岐器の設置などが完了したことにより実現するものです。なお、現在アセラの240km/h運転は、ニューヨーク以北(ロードアイランド州およびマサチューセッツ州)の合計32マイル(約51km)の区間でのみ実施されているため、ニューヨーク以南で240km/h運転が行われるのは初めてとなります。

アムトラック、2022年サマースケジュールを発表!アセラはパンミック以降で最大の運行本数に

アムトラックは夏の繁忙期を前に、ニューヨークとワシントンD.C.などを結ぶ北東回廊(Northeast Corridor)の列車を中心に増発すると発表しました。北東回廊ではパンデミック以降、アセラ(Acela)やノースイーストリージョナル(Northeast Regional)の本数を減らして運行していますが、今回の増発でノースイーストリージョナルについてはパンデミック前の8割まで運行本数を回復させます。また、ビジネス需要の落ち込みで運行本数が激減していたアセラについてもパンデミック以降で最大の運行本数となる予定です。この他、大陸横断列車などについても一部列車を除いてデイリー運行となる予定です。

アムトラック、新型アセラのインテリアを公開!

アムトラックは31日、北東回廊(Northeast Corridor)のフラッグシップ高速列車「アセラ(Acela)」に導入される新型車両「アヴェリア・リバティー(Avelia Liberty)」のインテリアを公開しました。アムトラックでは、新型アセラの運行開始を当初2021年としていましたが、パンデミックによる人員不足や車両製造元であるアルストム(Alstom)の納期の遅れなどの影響により、運行開始時期を2022年に変更していました。

アムトラック、新型アセラの運行開始を1年程度延期

アムトラック(Amtrak)は、2021年春のデビューを予定していた新型アセラの運行開始時期を1年程度延期すると発表しました。新型アセラのプロトタイプ車両は、2020年2月から第一編成がコロラド州にあるプエブロ実験線にて、第二編成が実際の運行区間である北東回廊(Northeast Corridor)において走行試験が実施されてきました。試験の結果、プエブロ実験線においては比較的良好な結果が得られたものの、実際の走行区間である北東回廊の試験においては、カーブが多く老朽化した路線であるため、架線からの電力供給が安定しないことがわかり、車両の設計変更が必要になったということのようです。またパンデミックの影響で、新型車両の製造元であるフランスのアルストム(Alstom)社からの納入や、アムトラックの従業員のトレーニングにも遅れが生じているとしています。

アムトラック、アメリカ唯一の高速列車「アセラ」を体験

アムトラック(Amtrak)が運行するアセラ(Acela)は、アメリカ初の高速列車として2000年に運行開始しました。以来、アムトラックのフラッグシップトレインとして多くのビジネス客が利用しています。2019年にはニューヨーク・ワシントンD.C.間をノンストップで運行する列車を設定、2021年には新型車両の導入を予定するなど、今後のビジネス利用の拡大を見据えて積極的な投資姿勢が見られました。しかしながら、パンデミックの影響で現在は1日5往復のみ(通常は20往復)の運行になっています。