アムトラック(Amtrak)は22日、2022年度(2021年10月〜2022年9月)の利用状況などを取りまとめた予算概算要求のための年次報告書を公開しました(General and Legislative Annual Report)。コロナとの共存へと舵を切った2022年度のアムトラック利用者数は、2021年度と比較して概ね倍増しましたが、パンデミック前の2019年度と比較すると依然として7〜8割程度にとどまる結果となりました。以下、2022年度のアムトラック利用者数トップ10を、駅、州、列車ごとにまとめました。
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アメリカ南東部の都市間鉄道高速化プロジェクト(ワシントンD.C.〜リッチモンド編)
アメリカの首都ワシントンD.C.からバージニア州の州都リッチモンド(Richmond)までを結ぶ鉄道路線では、「DC2RVA(DC to Richmond Southeast High Speed Rail)」と呼ばれる都市間鉄道プロジェクトが進行中です。DC2RVAは、アメリカ合衆国運輸省が指定する「南東高速鉄道回廊(Southeast High Speed Rail Corridor: SEHSR)」の整備を目的として、ワシントンD.C.からノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)までの区間で進められている既存鉄道インフラ改良プロジェクトの一つとなっています。同プロジェクトが完了すると、ワシントンD.C.とリッチモンドを結ぶ都市間列車が毎時1本運行に増発されるほか、同区間の最高速度が79mph(127km/h)から90mph(145km/h)へ引き上げられる予定です。
アムトラック、4月3日から全てのカナダ直通列車の運行を再開!
アムトラック(Amtrak)は20日、パンデミックの影響で運休が続いていたニューヨークとモントリオールを結ぶ国際列車「アディロンダック(Adirondack)」の運行を約3年ぶりに再開すると発表しました。アディロンダックの運行再開一番列車は、4月3日午前8時40分にニューヨーク・ペンステーション(Moynihan Train Hall)を出発し、最終目的地であるモントリオールには、午後8時16分に到着する予定となっています。また、折り返しとなるカナダからの一番列車は、4月4日午前11時10分にモントリオールを出発し、ニューヨークには同日の午後10時15分に到着する予定です。
北米の鉄道大動脈「北東回廊」のボトルネックを解消する「B&Pトンネル移設プログラム」とは?
今年で開通150周年を迎えるボルチモア・ポトマックトンネル(Baltimore and Potomac Tunnel: B&P Tunnel)は、メリーランド州ボルチモアのペン・ステーション付近にある全長約2.3kmの鉄道トンネルで、北米最大の運行本数および旅客数を誇る都市間鉄道路線「北東回廊(Northeast Corridor)」に位置している重要な鉄道インフラです。しかし、同トンネルは老朽化が深刻なため、アメリカ連邦鉄道局(FRA)、メリーランド州交通局(MDOT)、アムトラック(Amtrak)の3者が協力して、B&Pトンネルに変わる新トンネルを建設するプロジェクト「B&Pトンネル移設プログラム(B&P Tunnel Replacement Program)」を進めています。
アムトラック、長距離列車の新型車両調達に向けた準備を開始!
アムトラック(Amtrak)は19日、車内から絶景を楽しめることで知られるカリフォルニア・ゼファー(California Zephyr)やエンパイア・ビルダー(Empire Builder)など、14路線を運行している長距離列車の車両更新を進めるため、車両調達に向けた準備作業を開始したと発表しました。同社は今年4月に公表された「2022〜2027年の5ヶ年計画(Five-Year Plans)」において、老朽化が進む長距離列車向けの車両を2020年代後半から順次新型車両に置き換える方針を示しており、現在、長距離列車用車両として保有している合計744両(リース車両含む)の車両のうち、2014〜2021年にかけて増備されたビューライナー2(Viewliner II)130両を除く全ての車両が更新対象となる予定です。
2023年版、アメリカの鉄道はこうなる!
新年あけましておめでとうございます。2022年のアメリカは、ウィズコロナへの方針転換を明確にしたことにより、国内旅行を中心に旅行需要が急速に回復し、多くの公共交通機関の利用者が前年比を大幅に上回った年となりました。また、2022年に開業が予定されていた複数の大型鉄道プロジェクトのうち、ワシントンメトロシルバーラインのダレス国際空港方面への延伸や、LAメトロの新線のうちKラインについては無事に開業を迎えることができました。一方で、多くの注目プロジェクトは今年以降の開業に持ち越しとなりました。また、昨年注目されていた新型アセラやニューヨーク地下鉄の新型車両デビューについても、今年以降の営業運転開始にずれ込むこととなりました。