サンフランシスコ・ベイエリアのBARTが大量に導入を進める次世代地下鉄車両「D、Eシリーズ」とは

サンフランシスコ・ベイエリアの都市鉄道「ベイエリア高速鉄道(Bay Area Rapid Transit: BART)」では、車齢50年以上の車両も多く老朽化が著しい既存車両(A、B、Cシリーズ)の置き換えを目的として、2018年から次世代地下鉄車両「D、Eシリーズ」の導入を進めています。同車両は、ボンバルディア(現アルストム)の地下鉄車両ブランド「モビア(Movia)」を採用した新型車両となっており、これまでに合計775両が発注され、そのうち395両(2022年9月1日現在)がすでに製造されています。また、D、Eシリーズは、最終的に合計1,200両まで増備する計画もあり、実現するとピーク時のサンフランシスコ方面へ向かう全列車を10両編成で運行することが可能となるだけでなく、2031年の開通を目指して整備が進められているサンノゼおよびサンタクララ方面への延伸(シリコンバレー・フェーズ2)に伴う輸送力増強用としての役割も果たすことになります。

カリフォルニア高速鉄道と同時期の開業を目指す「BARTシリコンバレー・フェーズ2」とは?

サンフランシスコ・ベイエリアの都市鉄道であるベイエリア高速鉄道(Bay Area Rapid Transit: BART)は、2009年よりシリコンバレーの中心地であるサンノゼエリアへの延伸工事を進めています。これまでに、2017年にフリーモント(Fremont)〜ウォームスプリングス(Warm Springs)間の約8.7 km、2020年にウォームスプリングス〜ベリエッサ(Berryessa/North San Jose)間の約16kmが開業しています。現在は、シリコンバレー延伸プロジェクトの最終段階となるサンノゼ・ダウンタウンへの延伸計画「BARTシリコンバレー・フェーズ2(BART Silicon Valley Phase II)」が進められており、カリフォルニア高速鉄道のシリコンバレー区間と同じ2031年ごろの開業が予定されています。