サンフランシスコ、Muniメトロの次世代ライトレール車両「LRV4」とは

サンフランシスコ市営鉄道(San Francisco Municipal Railway: Muni Metro)では、老朽化が進むライトレール車両(ブレーダ製のLRV2およびLRV3)の置き換え、および2022年末以降の開業を予定しているセントラル・サブウェイ(Central Subway)の開業に向けた輸送力増強を目的として、2017年から次世代ライトレール車両「LRV4」の導入を進めています。同車両は、シーメンス・モビリティ(Siemens Mobility)の「S200 SF形」と呼ばれる新型ライトレール車両で、これまでに合計249両が発注されており、最終的には合計279両が増備される計画となっています。新型車両の増備は2027年ごろまで続く予定で、最終的には既存車両全てがLRV4に置き換えられる予定です。

サンフランシスコ・ベイエリアのBARTが大量に導入を進める次世代地下鉄車両「D、Eシリーズ」とは

サンフランシスコ・ベイエリアの都市鉄道「ベイエリア高速鉄道(Bay Area Rapid Transit: BART)」では、車齢50年以上の車両も多く老朽化が著しい既存車両(A、B、Cシリーズ)の置き換えを目的として、2018年から次世代地下鉄車両「D、Eシリーズ」の導入を進めています。同車両は、ボンバルディア(現アルストム)の地下鉄車両ブランド「モビア(Movia)」を採用した新型車両となっており、これまでに合計775両が発注され、そのうち395両(2022年9月1日現在)がすでに製造されています。また、D、Eシリーズは、最終的に合計1,200両まで増備する計画もあり、実現するとピーク時のサンフランシスコ方面へ向かう全列車を10両編成で運行することが可能となるだけでなく、2031年の開通を目指して整備が進められているサンノゼおよびサンタクララ方面への延伸(シリコンバレー・フェーズ2)に伴う輸送力増強用としての役割も果たすことになります。

カリフォルニア高速鉄道と同時期の開業を目指す「BARTシリコンバレー・フェーズ2」とは?

サンフランシスコ・ベイエリアの都市鉄道であるベイエリア高速鉄道(Bay Area Rapid Transit: BART)は、2009年よりシリコンバレーの中心地であるサンノゼエリアへの延伸工事を進めています。これまでに、2017年にフリーモント(Fremont)〜ウォームスプリングス(Warm Springs)間の約8.7 km、2020年にウォームスプリングス〜ベリエッサ(Berryessa/North San Jose)間の約16kmが開業しています。現在は、シリコンバレー延伸プロジェクトの最終段階となるサンノゼ・ダウンタウンへの延伸計画「BARTシリコンバレー・フェーズ2(BART Silicon Valley Phase II)」が進められており、カリフォルニア高速鉄道のシリコンバレー区間と同じ2031年ごろの開業が予定されています。

カリフォルニア高速鉄道、サンノゼ〜マーセド間の建設ルートなどを決定!

カリフォルニア州高速鉄道局は28日、サンフランシスコ・ベイエリアを含む工区として初めてとなるサンノゼ〜マーセド間の環境アセスメントが完了し、同区間の建設ルートおよび整備方法を決定したと発表しました。これにより、フェーズ1として2033年までに整備されるサンフランシスコ〜ロサンゼルス・アナハイム間全長約800kmのうち、およそ8割にあたる約640kmの区間の建設ルートおよび整備方法が確定したことになります。また、フェーズ1全区間開業よりも一足早く2031年の開業を目指すセントラルバレー〜シリコンバレー間の高速鉄道実現に向けて、重要なマイルストーンが達成されたことになります。

建設が進むカリフォルニア高速鉄道ネットワーク(サンフランシスコ〜サンノゼ編)

全米一の人口を抱えるカリフォルニア州では、サンフランシスコ、ロサンゼルス、サンディエゴ、サクラメントなど、州内の主要都市を最高時速320km以上の高速鉄道で結ぶ「カリフォルニア高速鉄道(California High-Speed Rail: CAHSR)」プロジェクトが進行中です。同プロジェクトはカリフォルニア州高速鉄道局(California High-Speed Rail Authority)が中心となって進められているもので、2008年には、最重要区間であるサンフランシスコ〜ロサンゼルス/アナハイム間の建設費の一部に州の税金を投じることを問う住民投票「Proposition 1A」が承認されました。