サンフランシスコ・ベイエリアのBARTが大量に導入を進める次世代地下鉄車両「D、Eシリーズ」とは

サンフランシスコ・ベイエリアの都市鉄道「ベイエリア高速鉄道(Bay Area Rapid Transit: BART)」では、車齢50年以上の車両も多く老朽化が著しい既存車両(A、B、Cシリーズ)の置き換えを目的として、2018年から次世代地下鉄車両「D、Eシリーズ」の導入を進めています。同車両は、ボンバルディア(現アルストム)の地下鉄車両ブランド「モビア(Movia)」を採用した新型車両となっており、これまでに合計775両が発注され、そのうち395両(2022年9月1日現在)がすでに製造されています。また、D、Eシリーズは、最終的に合計1,200両まで増備する計画もあり、実現するとピーク時のサンフランシスコ方面へ向かう全列車を10両編成で運行することが可能となるだけでなく、2031年の開通を目指して整備が進められているサンノゼおよびサンタクララ方面への延伸(シリコンバレー・フェーズ2)に伴う輸送力増強用としての役割も果たすことになります。

ロサンゼルス国際空港、2023年に開通予定の新交通システムの車両を公開!

ロサンゼルス国際空港(LAX)を管理運営するロサンゼルス・ワールド・エアポーツ(Los Angeles World Airports: LAWA)は1日、2023年の開業に向けて建設工事を進めている新交通システム(Automated People Mover: APM)の車両を公開しました。APMの車両には、アルストム(旧ボンバルディア)社製のInnovia APM 300が採用されており、運行開始までに合計44両(各車両の定員50名)が導入される予定です。新交通システムは全長2.25マイル(約3.6キロ)に合計6駅(ターミナルエリア内3駅、ターミナルエリア外3駅)が設置され、利用客の多い午前9時から午後11時の間は4両編成の車両を2分間隔で運行する予定です。

バンクーバースカイトレイン、2023年に新型電車「Mark V」が登場

バンクーバーのトランスリンク(TransLink)が運営するスカイトレイン(SkyTrain)は、エキスポライン(Expo Line)およびミレニアムライン(Millennium Line)向けの新型車両「Mark V」を導入します。スカイトレインは、1986年のバンクーバー国際交通博覧会に合わせて1985年に開業したコンピュータ制御での自動運転を行う都市鉄道です。開業当初は現在のエキスポラインのみでしたが、2002年にミレニアムライン、2009年にカナダラインが開業し、現在はコンピューター制御の自動運転を行う鉄道として世界一の路線距離を誇ります。今回導入される新型車両は、旧型車両(Mark I)の置換え、輸送力増強、ミレニアムラインの延伸計画(Broadway Subway Project)用として増備されるもので、合計205両(5両編成41本)が2023年から2027年にかけて導入される予定です。

ロンドンの新たな大動脈「エリザベス線」が5月24日に誕生!東西直通運転は秋から開始

ロンドン交通局(Transport for London: TfL)は、2009年から建設を進めているロンドン中心部パディントン(Paddington)とアビーウッド(Abbey Wood)を結ぶ新線「エリザベス線(Elizabeth Line)」の運行を5月24日から開始します。同線は、総工費およそ3兆円をかけて「グレート・ウェスタン本線(Great Western Main Line)」と「グレート・イースタン本線(Great Eastern Main Line)」をロンドン中心部で直通させ、ロンドンの東西を結ぶ全長約118kmの鉄道大動脈を構築する「クロスレール(Crossrail)」プロジェクトの新線区間として整備されました。なお、現在「TfLレール(TfL Rail)」として運行されている列車についても、今回の新線開業と同時にエリザベス線に改称されますが、直通運転が開始されるのは今秋以降となります。