北米の鉄道大動脈「北東回廊」のボトルネックを解消する「B&Pトンネル移設プログラム」とは?

今年で開通150周年を迎えるボルチモア・ポトマックトンネル(Baltimore and Potomac Tunnel: B&P Tunnel)は、メリーランド州ボルチモアのペン・ステーション付近にある全長約2.3kmの鉄道トンネルで、北米最大の運行本数および旅客数を誇る都市間鉄道路線「北東回廊(Northeast Corridor)」に位置している重要な鉄道インフラです。しかし、同トンネルは老朽化が深刻なため、アメリカ連邦鉄道局(FRA)、メリーランド州交通局(MDOT)、アムトラック(Amtrak)の3者が協力して、B&Pトンネルに変わる新トンネルを建設するプロジェクト「B&Pトンネル移設プログラム(B&P Tunnel Replacement Program)」を進めています。

アムトラック、2026年にデビュー予定の短・中距離列車向け新型車両「AMTRAK AIRO」の概要を発表!

アムトラック(Amtrak)は15日、北東部やパシフィックノースウェストで運行される短・中距離列車において、2026年から営業運転を開始予定の新型車両「AMTRAK AIRO」の概要を発表しました。AMTRAK AIROは、シーメンス・モービリティ(Siemens Mobility)が北米市場向けに開発した車両ブランド「ベンチャー(Venture)」と呼ばれるタイプの車両で、最高速度125mph(約201km/h)での走行性能を有しています。ベンチャーは、フロリダのブライトライン(Brightline)、カリフォルニア州および中西部の州が車両を保有する一部のアムトラック列車、カナダのVIA鉄道(VIA Rail)においてすでに営業運転が開始されていますが、アムトラックの主要路線である北東回廊(Northeast Corridor)発着列車やカスケーズへの投入は初めてなります。

アムトラック、2025年以降に北東回廊発着列車やカスケーズでデビュー予定の新型車両の内訳とは

アムトラック(Amtrak)は、アムトラック・カスケーズ(Amtrak Cascades)やニューヨーク都市圏を中心とした北東回廊(Northeast Corridor)を発着する列車を中心に、シーメンス(Siemens Mobility Inc.)製の新型車両を最大で213編成(オプション契約の130編成を含む)導入します。この車両は、2025年以降に営業運転を開始する計画で、1970年代から1980年代にかけて製造されたアムフリート(Amfleet)と呼ばれる客車などを順次置き換える予定となっています。なお、新型車両は投入路線の特性に合わせて電気・ディーゼル両用、ハイブリッド、電気式ディーゼルのいずれかの方式で導入される予定となっており、ベース契約分である83編成の内訳が、アムトラックの2022〜2027年度の5ヶ年計画(Five-Year Plans)で明らかになっています。

ゆっくりと着実なペースで進むアメリカの高速鉄道計画の概要

アメリカの高速鉄道整備計画と言えば、2000年代後半から聞かれるようになったカリフォルニア高速鉄道やテキサスセントラル鉄道といった計画を想像される方も多いかと思いますが、アメリカで高速鉄道整備構想の検討が始まったのは、日本で東海道新幹線が開通した1964年頃までさかのぼることをご存知でしょうか。現在、アメリカで唯一最高速度200km/h以上の高速運転を行なっている鉄道路線はボストンとワシントンD.C.を結ぶ北東回廊(Northeast Corridor)のみとなっていますが、実はこの北東回廊では1969年から運行開始した「メトロライナー(Metroliner)」によって最高速度190km/hでの営業運転を実現しています。

ワシントンD.C.ユニオンステーション拡張プロジェクト、新完成イメージを公開!

アムトラックの利用者数で全米第2位を誇るワシントンD.C.ユニオンステーションでは、2040年の長期計画として駅の大規模拡張プロジェクト「ワシントン・ユニオンステーション・拡張プロジェクト(Washington Union Station Expansion Project)」が計画されています。当初計画では、2028年の完成を目指していましたが、地権者との調整、パンデミック、環境アセスメントの準備書(DEIS)に対するパブリックコメントの結果を受けた計画の大幅な修正などによる遅れから、現在は2040年の完成を目指しています。そんなユニオンステーション拡張プロジェクトについて、実施主体である連邦鉄道局(Federal Railroad Administration: FRA)は、これまで公開されていた完成イメージから大きく変更が加えられた新たな完成イメージを公開しました。

アムトラック、2022年サマースケジュールを発表!アセラはパンミック以降で最大の運行本数に

アムトラックは夏の繁忙期を前に、ニューヨークとワシントンD.C.などを結ぶ北東回廊(Northeast Corridor)の列車を中心に増発すると発表しました。北東回廊ではパンデミック以降、アセラ(Acela)やノースイーストリージョナル(Northeast Regional)の本数を減らして運行していますが、今回の増発でノースイーストリージョナルについてはパンデミック前の8割まで運行本数を回復させます。また、ビジネス需要の落ち込みで運行本数が激減していたアセラについてもパンデミック以降で最大の運行本数となる予定です。この他、大陸横断列車などについても一部列車を除いてデイリー運行となる予定です。