日立製作所のグループ会社である日立レール(Hitachi Rail)は7日、ミラノ市交通公社(Azienda Trasporti Milanesi: ATM)からミラノ地下鉄1号線、2号線、3号線向けに、最大46編成(276両)の地下鉄車両を、最大3億6,800万ユーロ(約534億円)で納入する包括契約を締結したと発表しました。新型車両は2024年春から1号線で順次営業を開始する予定で、同線には合計126両(6両21本)が導入されます。なお、1号線向けに導入される21編成の契約金額は1億6,800万ユーロ(約244億円)となります。ミラノ市交通公社では、最新技術の導入による持続可能な公共交通システムの実現に向けた大型投資計画を進めており、今回の新型車両導入もその一環として進められるものです。
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日立の英国向け高速鉄道車両「クラス395」が2023年から順次リニューアルを開始
鉄道車両リース会社のエバーショルト・レール(Eversholt Rail)、サウスイースタン(Southeastern)、および日立レール(Hitachi Rail)は、2009年から運行を開始した「ジャベリン(Javelin)」の愛称を持つ高速鉄道車両「クラス395(Class 395)」について、約2,700万ポンド(約45億円)を投じてリニューアルを実施すると発表しました。クラス395は、山口県下松市にある日立製作所笠戸事業所で製造された高速鉄道車両で、日本の車両メーカーが初めて英国向けの高速鉄道車両を製造したということで注目を集めました。同車両は、これまでに合計174両(6両編成29本)が製造され、ロンドン・セントパンクラス(London St Pancras)駅から英仏海峡トンネル入り口までを結ぶ高速新線「ハイスピード1(High Speed 1: HS1)」などで運行されています。なお、リニューアル工事は2023年3月から開始される予定です。
ドイツ鉄道、ベルリンとアムステルダムを結ぶ国際列車などに導入予定の「ICE L」とは
ドイツ鉄道(Deutsche Bahn: DB)は、2024年10月からベルリンとアムステルダムを結ぶ国際列車に、ステップレスで乗降可能なICE車両「ICE L(Low floor)」を投入する予定です。同車両は、インターシティ(IC)として運行されている長距離列車の高速化や旧式車両の置き換えなどを目的として開発された車両で、2019年にスペインの車両メーカー「タルゴ(Talgo)」に合計23編成(17両編成23本)が発注されました。ICE Lは、同社の高速車両ブランド「タルゴ230(Talgo 230)」がベースの連接式客車となっており、最高速度は230km/hに対応しているほか、重心の低いタルゴ車両の特徴を生かして、ICEの車両としては初となるステップレスでの乗降が可能な車両となります。また、動力集中方式が採用されているため、電気・ディーゼル両用機関車を連結することで非電化区間の走行にも対応する予定です。
ドイツ鉄道、近郊列車の新車内コンセプトを搭載したプロトタイプ車両を披露
ドイツ鉄道(Deutsche Bahn: DB)は、9月20日〜23日にドイツ・ベルリンで開催された世界最大の鉄道見本市「イノトランス2022(InnoTrans 2022)」において、「アイデアズトレイン(IdeasTrain: ドイツ語はIdeenzug)」コンセプトを実証するためのプロトタイプ車両を披露しました。アイデアズトレインは、近年のドイツにおける鉄道利用需要の高まりを受けて、DBレギオ(DB Regio)などが2016年に立ち上げたプロジェクトで、既存概念に捉われないイノベーティブな鉄道車両を開発することで、時代のニーズに合った鉄道サービスを提供することを目的としています。現在、同プロジェクトでは、通勤列車用の「IdeasTrainCity」と近郊列車(主にS-Bahn)用の「IdeasTrainRegio」の2つのコンセプトが存在しますが、今回披露されたプロトタイプ車両は近郊列車用となります。