新年あけましておめでとうございます。2022年のアメリカは、ウィズコロナへの方針転換を明確にしたことにより、国内旅行を中心に旅行需要が急速に回復し、多くの公共交通機関の利用者が前年比を大幅に上回った年となりました。また、2022年に開業が予定されていた複数の大型鉄道プロジェクトのうち、ワシントンメトロシルバーラインのダレス国際空港方面への延伸や、LAメトロの新線のうちKラインについては無事に開業を迎えることができました。一方で、多くの注目プロジェクトは今年以降の開業に持ち越しとなりました。また、昨年注目されていた新型アセラやニューヨーク地下鉄の新型車両デビューについても、今年以降の営業運転開始にずれ込むこととなりました。
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LAメトロの新ライトレール路線「Kライン」が10月7日に部分開業!
LAメトロは22日、建設中の新ライトレール路線「Kライン(旧名称: クレンショー・LAXライン)」のうち、エキスポ・クレンショー(Expo/Crenshaw)駅からウェストチェスター・ベテランズ(Westchester/Veterans)駅までの区間を、10月7日(金曜日)正午に開業すると発表しました。Kラインは、Eラインのエキスポ・クレンショー(Expo/Crenshaw)駅からイングルウッド(Inglewood)を経由して、Cラインのアビエーション・LAX(Aviation/LAX)駅までを結ぶ全長約14kmの路線として2014年に着工されました。なお、ウェストチェスター・ベテランズ駅からアビエーション・LAX駅までの区間については、2023年秋頃の開業が予定されています。
建設が進むカリフォルニア高速鉄道ネットワーク(バーバンク〜ロサンゼルス編)
全米一の人口を抱えるカリフォルニア州では、サンフランシスコ、ロサンゼルス、サンディエゴ、サクラメントなど、州内の主要都市を最高時速320km以上の高速鉄道で結ぶ「カリフォルニア高速鉄道(California High-Speed Rail: CAHSR)」プロジェクトが進行中です。同プロジェクトはカリフォルニア州高速鉄道局(California High-Speed Rail Authority)が中心となって進められているもので、2008年には、最重要区間であるサンフランシスコ〜ロサンゼルス/アナハイム間の建設費の一部に州の税金を投じることを問う住民投票「Proposition 1A」が承認されました。
ロサンゼルス・ユニオンステーションへの高速鉄道乗り入れ計画が大きく前進!
カリフォルニア州高速鉄道局(CHSRA)とLAメトロは4月27日、2段階に分けて整備されるロサンゼルス・ユニオンステーションの大規模改良プロジェクト「Link Union Station(Link US)」について、第一段階となるフェーズAにかかる費用およそ9億5,000万ドル(約1,200億円)のうち、CHSRAが4億2,000万ドル(約546億円)を負担することで正式に合意したと発表しました。Link USプロジェクトは、もともとLAメトロが同駅の容量拡大のために計画していたプロジェクトですが、カリフォルニア高速鉄道の同駅乗り入れを実現させるため、CHSRAの費用負担などについて2016年より協議が行われてきました。
LAメトロ、リージョナルコネクター建設工事の9割が完成
LAメトロ(LA Metro)は18日、ダウンタウンの地下で建設中のリージョナルコネクタープロジェクト(Regional Connector)において、全長約3kmの軌道設備および地下30mの深さに設置されるグランドアベニュー・アーツ/バンカーヒル(Grand Av Arts/Bunker Hill)駅のホーム建設工事など、プロジェクト全体の9割が完成したと発表しました。リージョナルコネクターは、ライトレール3路線をダウンタウンLAで相互乗り入れさせるプロジェクトで、今年秋以降の完成を目指して工事が進められています。
2022年、アメリカの鉄道はこうなる!
新年あけましておめでとうございます。2021年のアメリカは、引き続きパンデミックの影響を受けながらも、その先を見据えた大型インフラプロジェクトが始動した年でもありました。オミクロン株の感染拡大が広まる中ではじまった2022年ですが、今年はパンデミックの影響で遅れていた複数の大型鉄道プロジェクトが完成を迎える他、複数の高速鉄道プロジェクトの着工が期待される年でもあります。それでは、筆者が注目している2022年に開業または着工などが予定されているアメリカの鉄道関連プロジェクトを、エリア別に見ていきましょう。