トリニティーメトロ(Trinity Metro)が運行するTEXレール(TEXRail)は、テキサス州ダラス・フォートワース空港とフォートワースを結ぶ全長約43kmの通勤鉄道で、2019年に開業しました。TEXレールは、ラッシュ時でも最大30分間隔程度での運行を想定した鉄道路線のため、新しく整備された通勤鉄道でありながら全線非電化路線となっています。TEXレールでは、開業に合わせてスイスの車両メーカー「シュタッドラー・レール(Stadler Rail AG)」が製造する部分低床式車両「FLIRT(Flinker Leichter Innovativer Regional-Triebzug)」が8編成導入されました。FLIRTは、ヨーロッパで多くの導入実績がある鉄道車両ですが、アメリカでの導入はTEXレールが初めての事例となります。なお、TEXレールが保有するFLIRT車両は、近年日本のローカル線でも導入が進むディーゼル・エレクトリック方式の走行装置が採用されているため、非電化区間を走る車両でありながらも、環境やバリアフリーに配慮した鉄道車両となっています。
エクステリア
全面デザインは、FLIRTの基本デザインと同じとなっています。ヘッドライトはLEDです。
側面のカラーリングはトリニティーメトロの路線バスと同じく、グレー、ネイビー、レッドを基本としています。
乗降扉はレッドで塗装されており、一目で乗車位置が分かるようになっています。
TEXRailのロゴがカッコいいですね。
こちらは、中間動力ユニットです。この部分にディーゼルエンジンなどの走行機器が搭載されています。
インテリア
クロスシートが基本となっており、一部ボックス席が採用されています。
ボックス席の一部にはテーブルも設置されており、グループ利用には最適です。
転換式の座席ではないため、座席の方向は2方向で設置さています。
台車のある部分は少し高くなっています。
車内には、情報案内ディスプレイも設置されています。
座席の背面にはテーブルも設置されているので、ちょっとした旅行気分を味わうことができます。
パソコンを置くにも十分な大きさがあります。
各座席に充電用USBポートが設置されているので、携帯機器の充電もできます。ただし、パソコンなどの充電用コンセントはありません。
ボックス席のテーブルです。足元も十分な広さがあり快適です。
ボックス席にも充電用USBポートが設置れています。
乗降扉の上にはシンプルな路線図が表示されています。
ドア開閉ボタンが設置されており、ターミナル駅停車中はこのボタンを押してドアを開けるようになっています。
車椅子や大型の荷物に対応したスペースも設置さています。
中間動力車の内部はこんな感じで通路になっており、基本この部分で立ち止まることはできません。
こちらはお手洗いの付近です。折りたたみの椅子が設置されています。
お手洗いのドアです。車椅子にも対応した大型のものが採用されています。
お手洗いは真空式で、清潔な空間となっています。
FLIRT車両の概要
運行者 | トリニティーメトロ(Trinity Metro) |
製造者 | シュタッドラー・レール(Stadler Rail AG) |
導入編成 | 8編成(4両連接編成+ 中間動力車) |
車両番号 | 101〜108 |
座席定員 | 224席(折りたたみシート28席を含む) |
営業開始 | 2019年〜 |
運行路線 | TEXレール(TEXRail) |
運行区間 | DFW空港ターミナルB(DFW Airport Terminal B)駅〜T&P(Texas and Pacific Station: T&P)駅 |
設計最高速度 | 79 mph(130km/h) |
制御方式 | ディーゼル・エレクトリック方式(IGBT-VVVFインバータ制御) |
Source: Stadler
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