バンクーバーのトランスリンク(TransLink)が運営するスカイトレイン(SkyTrain)は、エキスポライン(Expo Line)およびミレニアムライン(Millennium Line)向けの新型車両「Mark V」を導入します。スカイトレインは、1986年のバンクーバー国際交通博覧会に合わせて1985年に開業したコンピュータ制御での自動運転を行う都市鉄道です。開業当初は現在のエキスポラインのみでしたが、2002年にミレニアムライン、2009年にカナダラインが開業し、現在はコンピューター制御の自動運転を行う鉄道として世界一の路線距離を誇ります。今回導入される新型車両は、旧型車両(Mark I)の置換え、輸送力増強、ミレニアムラインの延伸計画(Broadway Subway Project)用として増備されるもので、合計205両(5両編成41本)が2023年から2027年にかけて導入される予定です。
また、2028年の開通を目指しているエキスポラインのサレー・ラングレー(Surrey Langley)延伸プロジェクトにも対応するため、最大で400両の追加増備も予定されており、将来的にスカイトレインの主力車両となる予定です。
エクステリア
スカイトレインのエキスポラインおよびミレニアムラインは、ボンバルディア(現アルストム)のイノビアメトロ(INNOVIA Metro)システムが採用されており、車両は第三軌条方式の鉄輪式リニアモーター車両となっています。鉄輪式リニアモーター車両は、日本では都営地下鉄大江戸線、Osaka Metro長堀鶴見緑地線などが有名ですが、スカイトレインは第三軌条方式となっている点が異なります。
こちらは去年末に公開されたMark V車両のモックアップです。以前のイメージではコの字をした印象的なLEDヘッドライトとなっていましたが、モックアップのものは現在の最新車両であるMark III車両と同様になっています。
インテリア
車内もMark IIIとよく似た内装となっていますが、シートレイアウトなどが変更となっています。シートは鉄道車両というよりも路線バスのものに近いイメージです。
Mark IIIからの大きな変更点として、ドア上に車内案内ディスプレイが搭載されています。これは、2019年に住民向けに実施された新型車両の車内設備に関するアンケートで要望が多かったものだそうです。
LCDディスプレイは横長タイプで、路線図なども表示されます。
車内はクロスシートとロングシートの組み合わせとなっています。また、これまでどおり車両間の通り抜けも可能となっています。
もう一つ利用者からの要望が多かった大型荷物、自転車、ベビーカーなども利用しやすい多目的スペースも設置されます。
Mark V車両の概要
運行者 | トランスリンク(TransLink) |
製造者 | ボンバルディア(現アルストム) |
運行システム | イノビアメトロ(INNOVIA Metro) |
編成(車両)数 | 205両(5両編成41本)、オプション400両 |
車両番号 | 485〜 |
定員 | ー |
営業開始 | 2024年〜(予定) |
運行路線 | エキスポライン(Expo Line)、ミレニアムライン(Millenium Line) |
運行区間 | 全区間 |
設計最高速度 | 80km/h(営業最高速度) |
制御方式 | IGBT-VVVFインバータ制御? |
Source: TransLink、Bombardier
コメントを残す