新年あけましておめでとうございます。2022年のアメリカは、ウィズコロナへの方針転換を明確にしたことにより、国内旅行を中心に旅行需要が急速に回復し、多くの公共交通機関の利用者が前年比を大幅に上回った年となりました。また、2022年に開業が予定されていた複数の大型鉄道プロジェクトのうち、ワシントンメトロシルバーラインのダレス国際空港方面への延伸や、LAメトロの新線のうちKラインについては無事に開業を迎えることができました。一方で、多くの注目プロジェクトは今年以降の開業に持ち越しとなりました。また、昨年注目されていた新型アセラやニューヨーク地下鉄の新型車両デビューについても、今年以降の営業運転開始にずれ込むこととなりました。

ロングアイランド鉄道の新ターミナル「グランドセントラル・マディソン」のコンコース階へと続くエスカレーター
Image: MTA

今年は、パンデミックの影響でスケジュールが大幅に遅れていた複数の大型鉄道プロジェクトが完成を迎え、注目の新型車両がデビューする年となる予定です。それでは、2023年にアメリカで開業が予定されている鉄道プロジェクト、デビューやお披露目が予定されている新型車両についてリストアップしましたので、早速みていきましょう!

2023年に開業が予定されているプロジェクト
MUNI、セントラルサブウェイが正式に開業(2023年1月7日)
Image: MUNI

昨年11月19日、休日のみの暫定ダイヤで運行が開始されたサンフランシスコ市営鉄道(通称ミュニ)のセントラルサブウェイにおいて、終日運転およびサニーデール(Sunnydale)への直通運転が開始されます。これにより、Tサードライン(T Third Line)はチャイナタウン・ローズパク(Chinatown-Rose Pak)駅からサニーデール駅間での運行となり、同線が正式に開業を迎えることとなります。

ロングアイランド鉄道、イースト・サイド・アクセスが開通(2023年1月)
Image: MTA

イースト・サイド・アクセス(East Side Access)は、ロングアイランド鉄道をグランドセントラル駅へ直通させる巨大インフラプロジェクトです。昨年末の開業が予定されていましたが、開業時期が2023年1月にずれ込むこととなりました。同線の開通でグランドセントラル駅からJFK空港などへのアクセスが大幅に改善されることになります。なお、新駅の名称はグランドセントラル・マディソン(Grand Central Madison)となります。

ブライトライン、オーランド国際空港への延伸区間が開業(2023年前半)
Image: Brightline

マイアミとウェストパームビーチを結ぶアメリカ初の民間インターシティ鉄道「ブライトライン(Brightline)」が、ついにオーランド国際空港まで延伸される予定です。この区間が開業するといよいよ最高時速200km運転が開始され、アメリカ初の民間高速鉄道の誕生となります。

LAメトロ、リージョナル・コネクターの開通(2023年前半)
Image: LA Metro

リージョナルコネクター(Regional Connector)は、ロサンゼルスの広範囲をカバーするライトレール路線をダウンタウンで接続させるプロジェクトです。昨年夏頃の開業が予定されていましたが、開業時期が2023年へと延期されていました。同線が開業すると、サンタモニカ、パサデナ、ロングビーチ、イーストロサンゼルスといった広範囲のエリアを乗り換えなし、または1回の乗り換えで移動できるようになります。

Tri-Rail、ダウンタウン・マイアミリンクが開業(2023年)
Image: Tri-Rail

マイアミとウェストパームビーチなどを結ぶ通勤鉄道「Tri-Rail」を、マイアミ・セントラル駅まで延伸するプロジェクト「ダウンタウン・マイアミリンク(Downtown Miami Link: TRDML)」が開業する予定です。これにより、Tri-Rail沿線からダウンタウンまでが直通でアクセスできるようになるほか、ブライトライン(Brightline)への接続も可能となります。

ロサンゼルス国際空港の自動運転シャトルが開業(2023年)
Image: LAWA

アメリカ西海岸の空の玄関口、ロサンゼルス国際空港(LAX)の各ターミナルとレンタカー施設などを直結する自動運転シャトル(LAX Automated People Mover )が開業する予定です。なお、LAメトロとの乗り換え駅となるLAX/Metro Transit Center駅については2024年以降の開業となります。

ホノルルレールトランジット、イーストカポレイからアロハタジアムの区間が開通(2023年)
Image: Hitachi

ホノルル高速交通公社(Honolulu Authority for Rapid Transportation: HART)が整備を進める都市高速鉄道「ホノルル・レール・トランジット(Honolulu Rail Transit)」について、第1期整備区間であるイーストカポレイからアロハタジアムまでのおよそ15kmの区間が開業する予定です。なお、ホノルル国際空港駅も含めた第2期整備区間については2031年以降に開業する予定となっています。

デビューまたはお披露目予定の新型車両
ニューヨーク地下鉄、次世代車両R211形が運行開始(2023年春以降)
Image: MTA

営業運転開始が遅れているニューヨーク地下鉄の最新車両「R211形」の運行が開始される予定です。R211形は、川崎車両の米国現地法人「Kawasaki Rail Car Inc」によって最大1,612両が製造される予定となっています。予定されているとおりA、C系統からの営業運転開始となるのか、今後の動向が注目されるところです。

アムトラック、新型アセラが運行開始(2023年秋以降)
Image: Amtrak

2021年のデビュー予定からおよそ2年遅れとなっていますが、アムトラックのフラッグシップ列車である「アセラ(Acela)」にアルストム製の新型車両「アヴェリア・リバティ(Avelia Liberty)」が導入される予定です。具体的な運行開始日はまだ発表されていませんが、アムトラックの新時代の幕開けにふさわしい新車両が誕生することになります。

MARTA、次世代車両のCQ400形が試運転を開始(2023年〜)
Image: MARTA

近年の北米マーケットにおいて存在感を示しつつあるスイスの車両メーカー「シュタッドラー(Stadler)」待望の北米向け地下鉄車両「CQ400形」の試運転が開始される予定です。第一編成は、昨年末にかけて同社の車両工場があるユタ州ソルトレークシティからアトランタへと発送されています。なお、同車両の営業開始時期は当初の2023年から2025年へと延期されています。

SEPTA、新型二階建て車両が試運転を開始(2023年〜)
Image: CRRC

パンデミックなどの影響で導入が大幅に遅れている南東ペンシルバニア交通局(SEPTA)向け新型二階建て車両について、今年から営業運転が開始される予定です。新型車両は、中国の車両メーカーCRRCの工場で製造されており、今年中には第一編成が納車される予定となっています。なお、SEPTAの通勤電車の多くは電車で運行されていますが、新型二階建て車両は片側に電気機関車を連結するプッシュプル方式での運行となります。

LAメトロ、新型地下鉄車両のHR4000形が試運転を開始(2023年〜)
Image: LA Metro

当初、2021年ごろのデビューが予定されていたLAメトロのB、Dライン向け新型車両「HR4000形」は、LAメトロの公式Twitterによると、現在、2024年以降の営業運転開始を目指しているようです。そうすると年内には第一編成が納車され、その後、試運転という流れになるのではないかと思われます。

ボルチモアメトロ、新型地下鉄車両の試運転を開始(2023年〜)
Image: Hitachi

メリーランド州ボルチモアの地下鉄路線「メトロサブウェイリンク(Metro SubwayLink)向け新型車両は、2021年ごろのデビューが予定されていましたが、LAメトロなどと同様にこちらもスケジュールが大幅に遅れています。今のところ、メリーランド州交通局からの正式なアップデートはありませんが、年内には車両製造メーカーである日立レールからの第一編成が納車され、試運転が開始されるのではないかと予想しています。

2023年に着工される可能性がある大規模プロジェクト
ブライトラインウェスト、ラスベガス〜ビクターバレー間がついに着工される?
Image: Brightline West

ブライトラインウェストは、ラスベガスとロサンゼルスを結ぶ民間による高速鉄道計画です。このうち、ラスベガスからカリフォルニア州ビクターバレー(Victor Valley)までの区間は2021年ごろに着工される予定でしたが、2022年以降に延期となっていました。いくつかのメディアが報じたところによると、ブライトラインウェストは、ラスベガス〜ビクターバレー間を2023年に着工することを目指しているようです。着工が現実のものになると、カリフォルニア高速鉄道に次いで北米で2例目となるフルスペック高速鉄道の整備が開始されることになります。

まとめ

以上、2023年は昨年から延期されたプロジェクトを中心に、多くの鉄道プロジェクトの開業が予定されています。また、アムトラックのフラッグシップ車両となる新型アセラ、ニューヨーク地下鉄の新型車両のデビューをはじめ、来年以降にデビューする予定の新型車両のお披露目も予定されています。それでは、2023年もアメリカの公共交通関連の話題を中心に情報を発信していきますので、今年も「DenshaDex」をどうぞ宜しくお願いいたします。

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