日立の英国向け高速鉄道車両「クラス395」が2023年から順次リニューアルを開始

鉄道車両リース会社のエバーショルト・レール(Eversholt Rail)、サウスイースタン(Southeastern)、および日立レール(Hitachi Rail)は、2009年から運行を開始した「ジャベリン(Javelin)」の愛称を持つ高速鉄道車両「クラス395(Class 395)」について、約2,700万ポンド(約45億円)を投じてリニューアルを実施すると発表しました。クラス395は、山口県下松市にある日立製作所笠戸事業所で製造された高速鉄道車両で、日本の車両メーカーが初めて英国向けの高速鉄道車両を製造したということで注目を集めました。同車両は、これまでに合計174両(6両編成29本)が製造され、ロンドン・セントパンクラス(London St Pancras)駅から英仏海峡トンネル入り口までを結ぶ高速新線「ハイスピード1(High Speed 1: HS1)」などで運行されています。なお、リニューアル工事は2023年3月から開始される予定です。

Image: mattbuck (CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons.

Source: Eversholt RailSoutheasternHitachi Rail

クラス395の運行区間
Image: southeastern

クラス395は、上記路線図のグレーで示されている高速列車サービスに使用されており、ロンドン・セントパンクラス駅からアシュフォード・インターナショナル駅までの区間(High Speed 1: HS1)では、最高速度225km/h運転が行われています。

Image: Screen42 (CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons.
リニューアル内容
Image: Southeastern

車内設備は、LED照明化、座席およびカーペットの更新、充電用USBポートを各座席に設置、バリアフリー性を高めた座席配置への変更といったリニューアルが実施されます。

Image: Southeastern

また、リアルタイム車内情報案内システムの更新とともに、2024年からは車内ディスプレイも設置される予定です。

Image: Southeastern

基本的に現在の車内デザインから大きく変わることはなさそうですが、シートのモケットやカーペットを一新、テーブルも木目調に変更されるため、現在よりも洗練された印象となります。

参考:現在のクラス395の車内
Image: Eversholt Rail

車内リニューアル以外にも、乗客への情報提供や長期的な運行計画の最適化をはかるため、車内監視カメラを使用して乗客数や積載量をリアルタイムで把握できる日立の最新デジタルソリューションが導入されるほか、HDカメラやAIを活用して架線状態などをリアルタイムにチェックできるデジタルモニタリング装置も搭載されます。

クラス395の概要
運行者サウスイースタン(Southeastern)
保有者:エバーショルト・レール(Eversholt Rail)
製造者日立製作所
導入編成29編成(6両編成29本)
車両番号395001〜395029
定員347席(折りたたみ席12)
営業開始2009年12月〜
運行路線ハイスピード1(High Speed 1)など
運行区間ロンドン・セントパンクラス〜アシュフォード・インターナショナルなど
最高速度225km/h(架空電車線方式区間)
160km/h(第三軌条方式区間)
制御方式IGBT-VVVFインバータ制御(日立)

Source: Eversholt Rail

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