新しいニューヨークが感じられるラガーディア空港の新ターミナルB

ラガーディア空港(LaGuardia Airport: LGA)はニューヨーク都市圏の3大空港の一つです。マンハッタンから最も近い空港ですが、大型機が規制されている関係から就航路線はアメリカ国内線および近距離国際線のみに限られているため、3空港の中では最も規模が小さい空港となります。また、アメリカのワーストエアポートランキングで常にトップ10入りしていることで有名な空港でもあります。そんな汚名を返上すべく、空港を管理、運営するニューヨーク・ニュージャージー港湾公社(Port Authority of New York and New Jersey)は、ラガーディア空港のターミナルビル建て替えプロジェクトを進めています。

本プロジェクトの総工費は約80億ドル(約8,000億円)にもおよぶビックプロジェクトで、現在使用しているターミナルA〜Dのうち、A(Marine Terminal)を除く全てのターミナルビルを建て替える予定です(完成後、ターミナルC、Dは統一されてターミナルCになります)。なお、空港の通常営業を継続しながらの建て替え工事になるため、新施設への切り替えは段階的に行われています。

完成した新ターミナルからは同時進行で進む旧ターミナルの解体作業を間近で見ることができます。

これまでに、ターミナルBの駐車場棟が2018年2月に供用開始されたのを皮切りに、同年12月にユナイテッド航空などが使用するターミナルBイースタンコンコースの一部、2019年11月にデルタ航空のターミナルCコンコースG、2020年6月にターミナルB出発・到着エリア、同年8月にアメリカン航空などが使用するターミナルBウェスタンコンコースの一部が供用を開始しています。今後は、2021年グランドオープンに向けて、ターミナルBの残りのゲート、ターミナルCの出発・到着エリアなどの供用開始が予定されています。さらに、2024年の開業を目指してエアトレインの建設も進められる予定です。

今回は、先行してほぼ全てのエリアが開業したターミナルBを利用する機会がありましたので、早速フォトレポートします。

ターミナルBのスペック
延床面積130万スクエアフィート(約12万平方メートル)
ゲート数35
航空会社アメリカン航空、ユナイテッド航空、サウスウェスト航空、エアカナダ
物販店舗数約50店舗
エントランスエリア

こちらは出発ロビーに直結している3階の車寄せエリアです。到着の際は、2階の車寄せエリアから送迎車やタクシーを利用することができます。

こちらは1階のエントランス付近です。1階からはMTAセレクトバスサービス、エアポートシャトルバス、ホテルやレンタカーの送迎バスが発着します。地下鉄へ乗り継ぎたい場合、MTAのバスを利用すると地下鉄への乗り継ぎが無料になります。

各階とも共通のエントランスのデザインです。

出発ロビーエリア

3階出発ロビーの全景です。天井が非常に高く開放感に溢れています。

中央付近には天井から吊るされた大きなオブジェがあります。

セルフチェックイン機です。このセルフチェックイン機は優れもので、ターミナルBを利用するアメリカン航空、ユナイテッド航空、サウスウエスト航空、エアカナダ全てに対応してるので、利用航空会社に関係なく空いているチェックイン機をどれでも利用できます。

ここから先は搭乗エリアへと向かうセキュリティーチェックへの入り口となります。なおターミナルBにあるセキュリティーチェックはこの一箇所のみですが、非常に広々としたスペースに16レーンが設置されているため、非常にスムーズにセキュリティーチェックを済ませることができます。

搭乗エリア

セキュリティーチェックを済ますと、一旦ショップ・レストランなどのある4階へ向かうことになります。エスカレーターの横では自由の女神がお見送りをしてくれます。笑

エスカレーターをのぼりきるとショップエリアが出迎えてくれます。コロナ禍の真っ最中ですので、お客さんはまばらです。

レゴで作られた自由の女神もありました!

至る所に設置されているフライトインフォメーションを表示するディスプレイです。出発時間が90分以内のフライトは、出発時間をカウントダウン方式で表示するようになっており、直感的で分かりやすい表示になっています。

レストランなどがあるエリアにある噴水です。JR大阪駅にある「水の時計」のようなものかと思いましたが、天井から降り注ぐ水の柱にイメージを投影しているもののようです。

ゲートへと向かう通路もとても開放的で素晴らしい出来栄えです。カーペットの直線的なラインが素敵です。

こちらはゲート40〜59がある東コンコースです。

自然光が多く降りそそぎ植物も植えられていて居心地の良い空間となっています。

到着エリア

各ゲートに到着した利用者は、ここから搭乗エリア外に出ることになります。自動ドアには「Welcome to New York」と大きく書かれています。

自動ドアを出ると出発ロビーエリアが一望できます。手荷物を預けた乗客は2階にあるバゲージクレームエリアに向かうことになります。

定番の「I♡NY」オブジェもあります。

全部で9レーンあるバゲージクレームエリアです。コロナ禍の影響で非常に閑散としていますが、航空需要が戻る頃にはこの広いスペースが大活躍することと思います。

お手洗い

公共施設のイメージを大きく左右するトイレです。まだ新しいというのもありますが、アメリカの公衆トイレとは思えないほど非常に清潔感があります。

明るめのタイル張りで非常に清潔感があります。

各手洗い場の上にはドライスペースがありハンドバックなどを置くことができます。もちろん手洗いから乾燥まで全てタッチレスで利用できます。

Source: ニューヨーク・ニュージャージー港湾公社

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