アラスカ鉄道(Alaska Railroad)は、その車窓からアメリカ最後の未開の地と呼ばれるアラスカの大自然を堪能できることから観光客に大人気の鉄道です。その歴史は、1903年に当時のアラスカセントラル鉄道(Alaska Central Railway)がスワード(Seward)から北へ50マイルほどの鉄道路線を建設したことに始まります。その後、連邦政府によってアンカレッジを経由して州内陸部の都市フェアバンクス(Fairbanks)までの延伸が行われ、第2次世界大戦時は主に軍事物資輸送などに利用されました。現在はアラスカ州が会社を保有しており、北米唯一の州営鉄道となっています。通常は貨物列車が中心ですが、夏期を中心に以下の観光列車を運行しています。
- デナリ・スター (Denali Star)アンカレッジ〜フェアバンクス
- コースタル・クラシック (Coastal Classic)アンカレッジ〜スワード
- グレーシャー・ディスカバリー (Glacier Discovery)アンカレッジ〜ウィティア〜グランドビュー
- ハリケーン・ターン (Hurricane Turn)アンカレッジ/タルキートナ〜ハリケーン
- オーロラ・ウィンター(Aurora Winter)アンカレッジ〜フェアバンクス
今回、アンカレッジから日帰りで往復できる列車であるコースタルクラシック号に乗ってきましたのでフォトレポします。
コースタル・クラシック号のルート
コースタル・クラシック号は、アンカレッジからスワードまでをおよそ4時間30分で結びます。スワードで氷河クルーズをして、同日中にアンカレッジへ戻ることも可能となるスケジュールが組まれています。
アンカレッジ駅(Anchorage Depot)
こちらは早朝のアンカレッジ駅の外観です。コースタルクラシック号は、起点のアンカレッジ駅(Anchorage Depot)を早朝6時45分に出発します。
アンカレッジ駅構内の切符売り場です。アラスカ鉄道のチケットは基本は事前予約制となっていますが、このカウンターで予約したチケットを受け取る必要があります。
駅構内には小さなお土産屋さんやコーヒーショップがあります。
乗り場からアンカレッジ駅舎を見た様子です。
エクステリア
コースタル・クラシック号は、SD70シリーズと呼ばれるアメリカのエレクトロ・モーティブ・ディーゼル(Electro-Motive Diesel: EMD)が製造したディーゼル機関車によって牽引されます。
紺色と黄色のカラーリングがアラスカの景色に非常によくマッチしており、かなり良い感じです。
どの角度から見てもカッコいいです。
コースタルクラシック号には、アドベンチャークラス(Adventure Class)とゴールドスターサービス(GoldStar Service)と呼ばれるプレミアムクラスがあります。上の写真はゴールドスターの車両で2階建車両となっており、天井まで広がる窓からの車窓と食事サービスを楽しむことができます。
こちらはアドベンチャークラスのドームカーと呼ばれる展望車です。
こちらはアドベンチャークラスの標準車両です。
インテリア
今回、筆者はアドベンチャークラスを利用しましたので同クラスの車内を紹介します。こちらはアドベンチャークラスのドームカーと呼ばれる車両の座席です。ちなみにドームカーの2階の展望席は誰でも自由に利用できます。
ドームカーの展望席の下はこんな感じの通路になっていて乗務員室などがあります。
こちらは食堂車です。ゴールドスターの乗客はフルサービスの食事やバーアクセスが付いてきますが、アドベンチャークラスの乗客もこちらの食堂車を利用することができます(食事は別料金)。
こちらでサンドイッチ、ピザなどの軽食が購入できます。ランチやディナーのメニューもあります。
軽食用のテーブル席です。
2階部分まである大きな窓が特徴的です。
トイレの様子です。古い車両ですが清掃が行き届いていて綺麗です。
洗面台もきれいに清掃されています。
コースタル・クラシック号の車窓
アンカレッジ駅を出発してしばらくすると、進行方向右側にクック湾さらにはアラスカ湾へと繋がるTurnagain Armとその広大な干潟の風景が楽しめます。運が良ければシロイルカの姿も見られるそうです。
ドームカーからはこのように前方風景を楽しむことができます。
トンネルを抜ける時も迫力があります。
このようにアラスカの大自然の中を車体をうれらせながら走る姿は最高にカッコいいです。
最後は、グランドビュー(Grand View)と呼ばれるコースタル・クラシック号のハイライトとも呼べる車窓です。奥に氷河が見えます。
Source: Alaska Railroad
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