MTAが導入を進める新支払いシステムOMNYを使ってみた

ニューヨークでは、多くの鉄道インフラの老朽化が顕著になっています。ニューヨーク地下鉄(New York City Subway)における運賃の支払いシステムも例外ではなく、世界の主要都市において非接触型ICカードやスマートフォンを利用した支払いが当たり前となってきている現在において、今だに磁気カードをメインに使用している状況です。しかも利用者が磁気カードをスワイプさせて読み取る方式のため、慣れない人は何度も読み取りエラーになり、挙げ句の果てにダブルチャージされてしまったりと、非常に使い勝手の悪いシステムとなっています。

そんな状況を改善すべくMTA(Metropolitan Transit Authority)では、2019年より段階的にOMNY(One Metro New York)と呼ばれる次世代支払いシステムの導入を進めています。計画では、2020年末を目標にニューヨーク市交通局(New York City Transit)が運行するニューヨーク地下鉄全駅および路線バス全線においてサービスが開始される予定となっています。なお、ロングアイランド鉄道およびメトロノース鉄道においても2023年までにOMNYを導入する予定です。さらにパストレイン(PATH)でも2022年までに導入する計画です。

今回はニューヨーク地下鉄でOMNYを実際に使用してみたのでレポートします。


OMNYに対応した改札機

既存の改札機にOMNYリーダーが設置された改札口。改札機自体は既存のものと同じですが、ご覧のようにOMNYリーダーは目立つので利用する駅でOMNYが利用可能かはすぐにわかります。

こちらがOMNYリーダーのスクリーンです。スタンバイ状態ではこのように四隅が青色に光っています。OMNYの利用は非常にシンプルで、コンタクトレス決済に対応したカードや、電子財布を利用可能なスマートフォンなどをすでに持っていれば、事前登録などの手続きなしで利用可能です。利用時は、カードもしくは端末をスクリーンにかざすことで運賃(2.75ドル)が自動的に引き落としされます。

スクリーンにカードもしくはスマート端末をかざし支払いが完了すると、スクリーンに「GO」と表示され、LEDが緑色に光りターンスタイルのロックが解除されます。読み取りエラーの場合は、スクリーンにエラーメッセージが表示され、LEDが赤色に光りターンスタイルのロックは解除されません。

OMNYを利用した時のスマートフォンのスクリーン
支払いが完了すると、携帯画面でいつどの駅で利用し、いくら請求されたかをその場で確認できるので便利です。イメージはアンドロイド端末を利用した場合です。
こちらはオプションですが、OMNYのアカウントに登録すると、過去の利用履歴一覧や領収書の発行などが可能です。出張での利用時などは重宝するかもしれません。
OMNYの利用方法紹介ビデオ
https://omny.info/about-contactless-payments#what-are-contactless-cards

コンタレス決済に対応したカードでの利用方法紹介ビデオ。

https://omny.info/about-contactless-payments#what-are-contactless-cards

スマートフォンなどでの利用方法紹介ビデオ。

OMNYの導入状況
2020年8月時点でOMNYに対応しているニューヨーク市地下鉄の駅
Image: OMNY

なお、2020年8月時点でOMNYで利用可能なチケットタイプは一回利用の基本乗車券(2.75ドル)のみとなっています。そのため利用者は限定されているようですが、今後ウィークリーパスやマンスリーパスなどにも対応予定です。また現金での利用者にも配慮するため、2021年内にリチャージ可能なOMNYカードの発売を開始し、OMNYカードに対応した券売機が設置される予定です。現在の磁気カードはOMNYの整備が全て完了次第、廃止される予定です。

Source: OMNY

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