近年、急速な経済成長を遂げているテキサス州では、ダラス・ヒューストン間においてテキサス・セントラル鉄道(Texas Central Railway)と呼ばれる高速鉄道の建設計画が進行しています。テキサスセントラル鉄道は、公共事業であるカリフォルニア高速鉄道(California High-Speed Rail)とは異なり、民間企業であるテキサスセントラル(Texas Central)社が事業主体となって計画、設計、建設、運行が実施されます。このため、質の高い旅客サービスが期待されています。そして、高速鉄道の技術には日本の新幹線方式が採用されることが決まっています。開業は2026年を予定しており、現在2021年の建設工事開始に向けて最終段階に入っています。

アメリカには、アムトラック(Amtrak)が2000年から運行する「アセラ(Acela)」と呼ばれる高速列車が運行されていますが、アセラは高速運転に対応した在来線区間を走行する列車のため、テキサス・セントラル鉄道が予定通りに開業すればアメリカ初の本格的高速鉄道となります。

アセラについてはこちらから。

建設ルート
Image: Texas Central

テキサス・セントラル鉄道は、ダラスからヒューストンまでの約390kmの路線で、途中駅は1箇所のみ設置される予定です。距離的には東京・名古屋間(約366km)よりもやや長い距離といったところでしょうか。最高速度は時速300km〜330kmを想定しており、所要時間は90分以下となります。東京・名古屋間の「のぞみ」の所要時間はおよそ95分なので、所要時間的にも似たような感覚です。

こちらは実際の建設ルートの詳細マップです。ダラスとヒューストンを結ぶ州間高速道路45号線(Interstate 45)に沿って建設されます。なお、州間高速道路45号線は交通事故死亡者数で全米第2位にランクインしている高速道路となっており、高速鉄道の開通によってこの汚名を返上する狙いもあるようです。

ノーステキサス駅(ダラス)
Image: Texas Central

ノース・テキサス(North Texas)駅は、ダラスのダウンタウン付近に建設されます。駅周辺には州間高速道路30号線および35号線が通っており、パークアンドライドを想定した大規模な駐車場も建設される予定です。また、ダート(Dallas Area Rapid Transit: DART)が運行するライトレールのコンベンションセンター(Convention Center)駅とも接続するようです。

Image: Texas Central

駅コンコースのイメージです。天井には木材を多用することで温かみのある空間にするようです。

Image: Texas Central

待合スペースが設置されるようです。日本の新幹線の駅というよりかは、空港のような雰囲気です。

Image: Texas Central

ホームの天井にも木材が使用されるのでしょうか。天井に描かれている横長のLEDディスプレイのようなものが気になります。

ブラゾス・バレー駅
Image: Texas Central

ブラゾス・バレー(Brazos Valley)駅は、テキサス・セントラル鉄道で唯一設置される途中駅となる予定です。州道30および90号線(State Highway)の交差点付近の牧草地帯に位置しており、駅から40kmほどの距離にあるのカレッジステーション市(College Station)には、2020年時点で全米第2位の学生数を有するテキサスA&M大学(Texas A&M University)などがあります。

Image: Texas Central

自然光が一杯に降り注ぐ心地良さそうなコンコースです。

ヒューストン駅
Image: Texas Central

ヒューストン(Houston)駅は、国道290号線(U.S. Route 290)および州間高速道路610号線(Interstate 610)のインターチェンジ付近に建設される予定です。多くのエネルギー関連企業が集結するエネルギー回廊(Energy Corridor)と呼ばれるビジネス街、メディカルセンター(Medical Center)およびダウンタウンエリアへのアクセス向上が期待されています。

Image: Texas Central

ダラスのノーステキサス駅に基本的には似ています。

Image: Texas Central

ヒューストンにも待合スペースが設置されるようです。ビジネスラウンジのような感じになるのでしょうか。

使用車両

テキサスセントラル鉄道では、JR東海の開発したN700Sをベースとした車両が使用される予定です。なお、東海道・山陽新幹線と異なり、8両編成の車両が導入される予定です。座席配置は2列+2列のゆとりのある配置となり、コンパートメント席も配置されるようで、新幹線とは一味違った雰囲気の車内になるようです。また、高速インターネットや車内販売などのサービスも提供される予定です。

Image: Texas Central

公開されている座席配置図を見ると、コンパートメント席も設定されるようです。それに合わせて窓の大きさも2列分になるようです。

Image: Texas Central

座席幅は約508mmで東海道・山陽新幹線で運行するN700系のグリーン車(480mm)よりも広くなっています。シートピッチも、N700系の普通車とほぼ同じ1041.4mmとかなり広めとなっています。

運行ダイヤ

運行ダイヤは、ピーク時には30分間隔、オフピーク時には1時間間隔での運行が予定されています。また、日本の新幹線と同様に、一日6時間の設備等の保守・点検時間帯が設定される予定です。

将来の延伸計画

現在のところ、オースティン(Austin)やサンアントニオ(San Antonio)といったテキサス州の他の都市圏への延伸計画はありませんが、テキサス・セントラル鉄道は、開業後の実績次第で他都市への延伸も検討するとしています。

プロモーションビデオ
Video: Texas Central

テキサスセントラル鉄道のプロモーションビデオです。日本でも公共交通事業者の間で検討が進んでいる「MaaS(Mobility as a Service)」コンセプトを取り入れることで、出発地から目的地までに必要な全ての乗車券や車内販売をスマートフォンで一括購入できるようにし、乗客にシームレスな乗車体験を提供できるようにするとしています。

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