ロサンゼルス国際空港(Los Angeles International Airport: LAX)はアメリカ西海岸のゲートウェイ空港で、航空旅客数は実に年間約8,750万人(2018年)で世界第4位(アメリカ国内ではアトランタに次いで第2位)の巨大ハブ空港です。現在はコロナ禍の影響で日本からの直行便は限られていますが、2020年3月の羽田空港の発着枠の拡大後は、羽田から7便、成田から4便、関西から1便と、毎日12便もの直行便の運行が予定されていました。コロナ終息後には、以前のように観光やビジネスでアメリカを訪れる多くの日本人で賑わうことでしょう。
現在LAXには各ターミナルへ直結する鉄道路線はなく、市街地へのアクセスは自家用車、タクシー、ウーバーなどのライドシェアリング、シャトルバスといった渋滞の影響を受けやすい交通機関がメインとなっています。そのため、LAXを管理運営するロサンゼルス・ワールド・エアポーツ(Los Angeles World Airports: LAWA)は、2023年の完成を目指して、各ターミナルと建設中のLAメトロ、アビエーション/96thストリート(Aviation/96th Street)駅およびレンタカーセンター(Consolidated Rent-A-Car: ConRAC)間に新交通システム(Automated People Mover: APM)を建設中です。また、新設される新交通システムの駅前には、バスターミナルやライドシェアリング等のピックアップエリアを新たに設置することで、ターミナルエリア内での渋滞緩和も期待されることから、LAXの長年の課題であるアクセス改善が期待されています。
新交通システム(APM)の路線図
新交通システムは全長2.25マイル(約3.6キロ)の全線高架路線で、合計6駅(ターミナルエリア内3駅、ターミナルエリア外3駅)が設置されます。乗車料金は不要で、年間約3千万人の利用を見込んでいます。なお、運行車両にはボンバルディア(Bombardier)社製Innovia APM 300を合計44両(各車両の定員50名)導入し、利用客の多い午前9時から午後11時の間は4両編成の車両を2分間隔で運行する予定です。
車両のイメージ
こちらはシャトルのエクステリアデザインです。東京のゆりかもめや神戸のポートライナーのようなゴムタイヤで走行するシステムとなっています。
新交通システムの車内の様子です。空港利用者用なのでシートは限られています。
駅舎のイメージ
レンタカーセンター(ConRAC)駅付近のイメージです。
アビエーション/96thストリートとの接続する複合輸送施設イースト(Intermodal Transportation Facility-East: ITF East)駅の外観デザインです。
複合輸送施設ウェスト(Intermodal Transportation Facility-West: ITF West)駅のエントランス付近のイメージです。
センチュリー・ブルバード(Century Boulevard)の上を通るシャトルの様子です。
ターミナル東(East Central Terminal Area: East CTA)駅の展望デッキのイメージです。
ターミナル中間(Center Central Terminal Area: Center CTA)駅の様子です。日本の新交通システム同様、乗り場にはホームドアが設置されます。
ターミナル西(West Central Terminal Area: West CTA)駅をトム・ブラッドリー・インターナショナル・ターミナル(Tom Bradley International Terminal: TBIT)から見た様子です。
新交通システムの車庫およびメンテナンス施設の様子です。
Source: LAWA
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