2020年に新しく生まれ変わったラガーディア空港は、ニューヨークの主要空港のなかで唯一ターミナル直結の鉄道アクセスがない空港となっています。そのため、公共交通を利用してマンハッタンへ向かう場合、バスと地下鉄などを乗り継ぐ必要があります。その問題を解決するため、空港を管轄するニューヨーク・ニュージャージー港湾公社(Port Authority of New York and New Jersey: PANYNJ)は、最寄りのニューヨーク地下鉄(New York City Subway)駅およびロングアイランド鉄道(Long Island Railroad: LIRR)を接続するエアトレインの建設を計画中です。
エアトレインが実現すると、ラガーディア空港とミッドタウン・マンハッタンエリアを30分以内(ロングアイランド鉄道との乗り継ぎの場合)で移動できるようになります。エアトレインは、計画どおり着工されれば2025年に完成する見込みとなっています。
エアトレインのルート案
エアトレインは、ロングアイランド鉄道と地下鉄7トレインのメッツ-ウィレッツ・ポイント(Mets–Willets Point)駅とラガーディア空港のターミナルを結ぶ約2.4kmの路線が想定されており、4分間隔の高頻度運転が実施される予定です。
エアトレインのイメージ
ロングアイランド鉄道のメッツ-ウィレッツ・ポイント駅は、ニューヨーク・メッツのホームゲームや全米オープンテニスの開催時に利用される臨時駅となっていますが、エアトレインと接続される計画なので全面改装が予定されています。
こちらはラガーディア空港ターミナル駅のイメージです。
駅から直結で各ターミナルへ移動できるようになる予定です。
今年1月にほぼ全面開業したモイニハン・トレイン・ホールからも簡単にアクセスできるようになります。
建設中のイースト・サイド・アクセスによってグランドセントラル駅からエアトレインの乗り換え駅までがダイレクトに結ばれる予定です。
エアトレインではなく地下鉄アストリア線(N・Wトレイン)の延伸になる可能性もあり?
PANYNJによると、ラガーディア空港のエアトレインの建設に当たっては、利便性が優れている地下鉄アストリア線(N・Wトレイン)を延伸する案なども検討されたようです。ただ、ラガーディア空港の鉄道アクセスは、空港旅客施設使用料(small Passenger Facility Charge: PFC)を使用して整備される予定となっています。PFCを使って空港アクセス路線を整備する場合、アメリカ連邦航空局(Federal Aviation Administration: FAA)の規定により空港内または空港輸送に特化したものでなければならず、そのために空港アクセス専用のエアトレインとする必要があるようです。
ところが、2021年1月にのFAAのPFCに関する規定が改正され、既存鉄道の延伸にもPFCを活用できるようになりました。したがって、エアトレインではなくアストリア線延伸案が復活する可能性もでてきているようですが、果たしてどうなるでしょうか。ラガーディア空港の鉄道アクセス整備について、今後の動向に注目していきたいと思います。
Source: PANYNJ
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