ニューヨーク、マンハッタンの地下では、アメリカで現在進行中の公共交通事業として最大規模といわれるイースト・サイド・アクセス(East Side Access)の建設が、2022年12月の完成を目指して急ピッチで進められています。これは、ニューヨーク州都市交通局(Metropolitan Transit Authority: MTA)が主体となって進めているプロジェクトで、マンハッタンとロングアイランドの各都市を結ぶアメリカ最大の通勤鉄道(Commuter Rail)、ロングアイランド鉄道(Long Island Railroad: LIRR)を、グランドセントラル(Grand Central)駅へ直通させるためのプロジェクトです。
建設ルート
ロングアイランド鉄道は現在、マンハッタンの起点駅としてペンステーション(Pennsylvania Station: Penn Statoin)に乗り入れています。ペンステーションにはロングアイランド鉄道の他に、アムトラック(Amtrak)、NJトランジット(New Jersey Transit: NJ Transit)、ニューヨーク地下鉄も乗り入れており、アメリカ最大の利用客数を誇る鉄道ターミナル駅として多くの乗客で常時混雑しています。
イースト・サイド・アクセスは、ロングアイランド鉄道をグランドセントラル駅へ直通させることで、ロングアイランドからマンハッタン、イースト・サイドへのアクセスを大幅に改善する役割を果たします。さらには、イースト・サイドからジョン・F・ケネディ国際空港(John F. Kennedy International Airport: JFK)へのアクセスとしても重要な役割を果たすことになり、開業時には1日およそ162,000人が利用すると予想されています。なおイースト・サイド・アクセスの総事業費は、なんと約110億ドル(1兆1,000億円)と試算されています。
公開されている完成イメージ
こちらはイースト・サイド・アクセスのプロジェクト紹介ビデオです。
ロングアイランド鉄道のプラットホームは2層構造で、合計4面8線がメトロノース鉄道(Metro-North Railroad: Metro North)のホームの下に建設されます。ホームは12両編成に対応しています。
こちらはパーク・アベニュー(Park Avenue)に面する入り口です。エントランス付近は既存のグランドセントラル駅のままのようです。
サイン類も歴史あるグランドセントラル駅の既存デザインに合わせるかたちで追加されるようです。
こちらは新たに設置されるロングアイランド鉄道のコンコースのイメージです。こちらは完全に新設される部分なので、イメージがガラッと変わります。
切符売り場の様子です。
待合室も設置されるようです。現在のグランドセントラル駅には待合室やベンチがないので重宝しそうです。
2層構造で建設されるプラットホームのうち下層部分は吹き抜け空間になるようです。ここから眺める車両はカッコ良く見えそうです。ここから川崎重工製の最新型M9形車両を見てみたいです。
下層プラットホームの様子です。
下層プラットホームは天井が高いので開放感がありあそうですね。
こちらは上層のプラットホームの様子です。
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