RTD「シルバーライナーV」車両

コロラド州デンバー(Denver)のRTD(Regional Transportation District)が運行する通勤鉄道路線(Commuter Rail)は、最初の営業路線であるAおよびBラインの開業が2016年と、比較的新しい鉄道路線となっています。2019年にGライン、2020年にNラインが開業し、現在4路線が運行されています。すべて電化路線となっており、車両は2016年の開業時から導入された「シルバーライナーV(Silverliner V)」合計66両で運行されています。

シルバーライナーは、もともとフィラデルフィアのセプタ(Southeastern Pennsylvania Transportation Authority: SEPTA)が運行する通勤鉄道車両の愛称です。RTDに導入されたのは、シルバーライナーの5代目となる形式で、セプタでは2010年から営業運転に投入されているものです。シルバーライナーの製造会社は世代によって異なっており、5代目となるシルバーライナーVは、韓国のヒュンダイ・ロテム(Hyundai Rotem)が製造を担当しました。今回は、RTDのシルバーライナーVをフォトレポします。

エクステリア

基本デザインは、セプタのものと同じでカラーリングのみが異なっています。全面は非常にシンプルで新型車両を感じさせる斬新さはなく、なんとも無骨なデザインです。衝突を前提とした頑丈な車体は、いかにもアメリカの鉄道車両といった感じです。

こちらはラッピングが施された車両です。

屋根上の空調装置が非常に大きいのが特報です。

側面のLED行き先表示器です。駅名とライン名が交互に表示されるようになっています。

かっこいいデザインのデンバー国際空港駅に停車中のシルバーライナーV車両です。

インテリア

車内は固定式クロスシートが基本となっており、車両中央は2列+2列配置として通路幅を広くとっています。

車端部は2列+3列配置となっており、通路幅がやや狭くなっています。

座席の背面にはテーブルなどは設置されておらず、充電プラグなどもないので、パソコン作業には向いていません。

液晶モニターも設置されていますが、表示内容はほとんど広告のみとなっています。

空港アクセス鉄道としての役割もあるため、ドア付近には大型荷物置場が設置されています。

自転車の車内持ち込みも可能で、バイクラックも設置されています。

車椅子スペースには、折りたたみ座席が設置されています。

ドア開閉ボタンが設置されており、ターミナル駅停車中などはこのボタンを押してドアを開閉するようになっています。

シルバーライナーV車両の概要
Image: RTD
運行者RTD(Regional Transportation District)
製造者ヒュンダイ・ロテム(Hyundai Rotem)
導入編成66両(2両1編成)
車両番号4000〜4065
定員170人(91席)
営業開始2016年〜
運行路線A、B、G、Nライン
運行区間RTD通勤路線全区間
設計最高速度129km/h
制御方式IGBT-VVVFインバータ制御(三菱電機)

Source: RTD

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