バンクーバーのスカイトレイン(SkyTrain)で運行されるMark III電車は、ボンバルディアトランスポーテーション(Bombardier Transportation)の自動高速輸送システム「イノビアメトロ(INNOVIA Metro)」の最新モデル「イノビアメトロ300(Innovia Metro 300)」を採用した車両です。Mark III電車は、2016年から2020年にかけて合計84両(4両編成21本)が導入され、現在全車両がエキスポライン(Expo Line)で運行されています。スカイトレインに採用されている鉄道システムであるイノビアメトロは、1970年代に当時のボンバルディアがカナダオンタリオ州の国有企業「都市交通開発公社(Urban Transportation Development Corporation: UTDC)」から購入した技術で、中規模の輸送に適した高速輸送システムとなっています。
なお同様のシステムは、バンクーバー以外にもニューヨークJFK空港のエアレイン、クアラルンプールのラピドKLクラナ・ジャヤ線、北京地下鉄首都空港線などでも採用されています。
エクステリア
前世代モデルのMark IIよりも洗練された印象となった前面デザインです。前面には、Mark IIの第2世代以降の車両に採用されているLED行先表示器が設置されています。
ヘッドライトにはLEDが採用されています。ちなみに、日本では完全自動運転を行う路線はホームドアが設置されていますが、スカイトレインにはホームドアは設置されていません。
Mark IIIのエクステリアデザインは、2023年から導入が予定されている次世代車両のMark Vにも引き継がれる予定となっています。
インテリア
Mark IIIの車両は、これまでの車両と比べて窓が大型化されており、座席は2列+1列配置とっています。また、車内照明はMark IIのダウンライトと間接照明の組み合わせから、シンプルなLEDライン照明に変更されています。
Mark IIの第2世代同様、ドア上にはLED式の路線図が設置されています。
スカイトレインMark III車両の概要
運行者 | トランスリンク(TransLink) |
製造者 | ボンバルディア(現アルストム) |
モデル | Innovia Metro 300 |
導入編成 | 84両(4両編成21本) |
車両番号 | 401〜484 |
定員(1両あたり) | 131-135人(30〜33席) |
営業開始 | 2016年〜 |
運行路線 | エキスポライン(Expo Line) |
運行区間 | エキスポライン全区間 |
設計最高速度 | 80km/h(営業最高速度) |
制御方式 | IGBT-VVVFインバータ制御(MITRAC IGBT-VVVF) |
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