アムトラック(Amtrak)とイリノイ州交通局(Illinois Department of Transportation: IDOT)は3日、イリノイ州シカゴとミズーリ州セントルイス(St. Louis)を結ぶ「シカゴ・セントルイス回廊(Chicago-St. Louis corridor)」のうち、全体のおよそ8割にあたるイリノイ州ジョリエット(Joliet)〜同州オールトン(Alton)間、約220マイル(約354km)の区間において、列車の最高速度を110mph(約180km/h)に引き上げると発表しました。同区間ではシカゴとセントルイスなどを結ぶ都市間列車「リンカーン・サービス(Lincoln Service)」が4往復、シカゴとテキサス州サンアントニオなどを結ぶ長距離列車「テキサス・イーグル(Texas Eagle)」が1往復運行されていますが、これら全ての列車が180km/h運転の対象となる予定です。
アムトラックは、今後数週間に渡って最高速度向上に伴う所要時間短縮効果などを確認する予定としており、正式なスケジュール変更はその後に実施されることになります。
Source: Amtrak
シカゴ・セントルイス回廊の高速化事業
今回のシカゴ・セントルイス回廊の最高速度引き上げは、2010年より進めらてきた「イリノイ高速鉄道(Illinois High-Speed Rail)」整備計画の一環で進められていた路線改良、踏切の安全対策強化、安全柵の設置、PTC(Positive Train Control)と呼ばれる無線通信技術を使用した列車制御技術の導入などが完了したことにより実現するものです。なお、アメリカ中西部において旅客列車の180km/h運転が実施される区間は、シカゴとデトロイトなどを結ぶミシガン線(Michigan Line)に次いで2番目の事例となります。
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