アムトラックの利用者数トップ10(2022年度版)

アムトラック(Amtrak)は22日、2022年度(2021年10月〜2022年9月)の利用状況などを取りまとめた予算概算要求のための年次報告書を公開しました(General and Legislative Annual Report)。コロナとの共存へと舵を切った2022年度のアムトラック利用者数は、2021年度と比較して概ね倍増しましたが、パンデミック前の2019年度と比較すると依然として7〜8割程度にとどまる結果となりました。以下、2022年度のアムトラック利用者数トップ10を、駅、州、列車ごとにまとめました。

アメリカ南東部の都市間鉄道高速化プロジェクト(ワシントンD.C.〜リッチモンド編)

アメリカの首都ワシントンD.C.からバージニア州の州都リッチモンド(Richmond)までを結ぶ鉄道路線では、「DC2RVA(DC to Richmond Southeast High Speed Rail)」と呼ばれる都市間鉄道プロジェクトが進行中です。DC2RVAは、アメリカ合衆国運輸省が指定する「南東高速鉄道回廊(Southeast High Speed Rail Corridor: SEHSR)」の整備を目的として、ワシントンD.C.からノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)までの区間で進められている既存鉄道インフラ改良プロジェクトの一つとなっています。同プロジェクトが完了すると、ワシントンD.C.とリッチモンドを結ぶ都市間列車が毎時1本運行に増発されるほか、同区間の最高速度が79mph(127km/h)から90mph(145km/h)へ引き上げられる予定です。

アムトラック、2025年以降に北東回廊発着列車やカスケーズでデビュー予定の新型車両の内訳とは

アムトラック(Amtrak)は、アムトラック・カスケーズ(Amtrak Cascades)やニューヨーク都市圏を中心とした北東回廊(Northeast Corridor)を発着する列車を中心に、シーメンス(Siemens Mobility Inc.)製の新型車両を最大で213編成(オプション契約の130編成を含む)導入します。この車両は、2025年以降に営業運転を開始する計画で、1970年代から1980年代にかけて製造されたアムフリート(Amfleet)と呼ばれる客車などを順次置き換える予定となっています。なお、新型車両は投入路線の特性に合わせて電気・ディーゼル両用、ハイブリッド、電気式ディーゼルのいずれかの方式で導入される予定となっており、ベース契約分である83編成の内訳が、アムトラックの2022〜2027年度の5ヶ年計画(Five-Year Plans)で明らかになっています。

アムトラック、カスケーズのカナダ直通運転を9月26日から再開!

アムトラックは31日、パンデミックの影響で2020年3月から運休している「カスケーズ(Cascades)」のシアトル〜バンクーバー間の運行を、正式に再開すると発表しました。プレスリリースによると、カナダ直通運転を行う一番列車は、シアトル・キングストリート(King Street)駅を9月26日月曜日午前7時45分に出発し、バンクーバー・パシフィックセントラル(Pacific Central)駅に午前11時45分に到着する予定となっています。なお、カナダ直通運転を行う列車は、当面の間1日1往復での運行となりますが、乗務員の確保や使用車両の調整などができ次第、パンデミック前と同じ1日2往復体制となる予定です。秋の行楽シーズンが本格化するのを前に、カスケーズのカナダ直通運転の再開が決まったことで、シアトル・バンクーバー間の交流が活性化されることが期待されています。

アムトラック、第7世代となる新塗装をまとった新型機関車を公開!

アムトラック(Amtrak)は15日、今後、同社の標準塗装となる第7世代塗装(Phase VII livery)をまとった初の車両となる電気式ディーゼル機関車「ALC-42形」を公開しました。ALC-42形は、今年2月にデビューした大陸横断列車向けの新型電気式ディーゼル機関車で、これまで導入された同機関車は全て特別塗装や復刻塗装をまとったものとなっていました。第7世代塗装をまとった車両第1号となったのは、10番目の製造車両となる309号車で、14日に「カリフォルニア・ゼファー(California Zephyr)」としてサンフランシスコ・ベイエリアのエミリービル(Emeryville)からシカゴへ向けて出発しました。