カリフォルニア高速鉄道局(California High-Speed Rail Authority: CHSRA)は18日、サンフランシスコとサンノゼを結ぶ全長約43マイル(69km)の区間について、環境アセスメントの評価書(Final EIR/EIS)を承認したと発表しました。これにより、カリフォルニア高速鉄道の第1期整備区間であるサンフランシスコとロサンゼルス・アナハイムを結ぶ全長500マイル(805km)におよぶ区間うち、およそ8割にあたる420マイル(676km)の区間において環境アセスメントが終了したことになります。また、2030年までに先行開業を目指すベーカーズフィールド(Bakersfield)〜マーセド(Marced)間についても動きがあり、最後まで未着工となっていた52.4マイル(84km)の区間の構造物設計などを実施する事業者が決定しました。
Source: CHSRA
整備方法が確定したサンフランシスコ・サンノゼ間
サンフランシスコ〜サンノゼ間の環境アセスメントでは、現在電化工事が実施されているカルトレインと線路を共用することを前提とした2つの整備案が示されていました。これらの整備案では、主に通過線の設置有無、および簡易検査などを行う車両基地の建設場所が焦点となっていましたが、最終的に、通過線を整備しないことで建設コストを抑えることができる整備案A(Alternative A)が採用されました。
今後は着工準備に必要な予算の確保が焦点になりますが、着工までに必要なプロセスを全て完了するにはさらに3〜5年の時間を要すると思われます。なお、サンフランシスコ〜ロサンゼルス間で唯一環境アセスメントが終了していないパームデール〜バーバンク間については、2023年までに終了する予定となっています。
セントラル・バレー区間の2030年先行開業に向けた作業も前進
カリフォルニア高速鉄道第1期として整備されるサンフランシスコからロサンゼルス・アナハイム間のうち、マーセドからベーカーズフィールドの間を結ぶ171マイル(275km)の区間については、2030年までの先行開業が予定されています。これまでに、この先行開業区間のうち119マイル(192km)の区間についてはすでに建設工事がすすめられていますが、末端部分となるマーセドおよびベーカーズフィールド付近の合計52.4マイル(84km)の区間については末着工となっていました。
今回、マーセド〜マデラ(Madera)間の未着工区間(33.9マイル)、およびフレズノ〜ベーカーズフィールド間の未着工区間(18.5マイル)の設計事業者がようやく決定したことで、2030年ごろにはアメリカで本格的な高速鉄道に乗れる可能性が高まったことになります。なお、構造物の設計作業は2年程度を想定しているようなので、未着工区間が実際に着工されるまでにはもう少し時間を要しそうです。
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