2024年秋以降に電化開業予定のカルトレインに導入される2階建て通勤電車の全貌

カリフォルニア州サンフランシスコからシリコンバレー中心都市であるサンノゼを経由し、同市南部のギルロイ (Gilroy)までを結ぶ「カルトレイン(Caltrain)」は、全長約124kmの非電化通勤鉄道路線です。現在カルトレインでは、2024年秋以降の共用開始を目指してサンフランシスコ・サンノゼ間の電化工事が進められています。この電化工事は、2017年に将来のカリフォルニア高速鉄道の乗り入れなどを見据えた「カルトレイン近代化プログラム(Caltrain Modernization Program)」の一環として着工されたもので、2023年11月現在、一部変電所の建設工事を除いて電化工事はほぼ完成しています。カルトレインでは、電化工事の完成に合わせてサンフランシスコ・サンノゼ間で運行される列車にスイスの鉄道車両メーカーシュタッドラー(Stadler)が製造する2階建て車両シリーズ(KISS160)を導入する予定で、サンノゼ・マウンテンビュー間においては、すでに納車された一部の編成によって試運転が行われています。

なお、新型車両はこれまでに合計23編成(7両編成23本)が発注されており、サンフランシスコ・サンノゼ間の電化開業時には、同鉄道が保有する車両の約75%がこの新型電車に置き換えられる予定となっているほか、電化整備が遅れるサンノゼ・ギルロイ間には、蓄電池車両の導入も予定されています。最終的には、第2期電化工事区間であるサンノゼ・ギルロイ間の整備、および既存車両の寿命に合わせて残りの車両も順次更新されことになります。

エクステリア

前面デザインは、ヨーロッパを中心に運行されている他のシュタッドラー車両とほぼ同じデザインとなっています。

ヘッドライトおよびテールライトはLEDとなっています。

前面のLED行先案内表示器です。

車体側面のLED行先案内表示器です。

車体側面の様子です。一両当たりの長さが約25mもある2階建て車両ということもあり、かなりのスケール感がある車両となっています。なお、将来的にカリフォルニア高速鉄道と線路を共有する予定のため、高速鉄道車両のドア位置に合わせた高さにも乗降ドアの設置できるよう準備工事が施されています。

こちらは、現在のカルトレインの低床ホームに合わせた乗降ドアです。乗降ドアはステップ付きとなっているほか、両開き式のプラグドアが採用されています。

こちらは、将来の高速鉄道車両に合わせた高さに乗降ドアを設置するための準備工事箇所のアップです。

車両連結部です。現在、カルトレインのホームは全て低床ホームとなっているため転落防止幌のようなものは設置されていません。

二階建ての巨大な車体を支える台車の様子です。

インテリア
一階車内

車内の一階部分です。シートの形状や材質はアメリカの他の都市の通勤鉄道車両で一般的に見かける標準的なものとなっています。車内照明は白色LEDが採用されています。

片持ち式のシートとなっているため足元はすっきりしています。

シートピッチは比較的余裕があります。

転換クロスシートではないため、一部はボックス席となっています。

一部には2人用のボックス席もあります。

座席の下には充電用のコンセントが設置されています。

二階車内

こちらは二階部分の車内です。

基本的なシートレイアウトは一階部分と同じとなっています。

階段横のスペースのみ、このような向かい合わせの3列シート配置になっています。

中間階車内

車端部(中間階)にはこのようなボックス席があり、ちょっとしたプライベートな雰囲気を味わえます。

なお、中間階には新たな乗降ドアを設置するためのスペースがあります。これは、前述の通り将来カリフォルニア高速鉄道の車両と線路を共用することが想定されているためですが、当面使用されることはないため、現在このスペースには折りたたみ座席が設置されています。

各種機器類が配置されている車両連結部の様子です。

車内情報案内表示器

情報案内ディスプレイは車端部および乗降ドア付近に設置されています。

乗降ドア

一階部分に設置された乗降ドア付近の様子です。乗降ドアは1車両当たり片側2箇所に設置されています。カリフォルニア高速鉄道が開業するまでは、基本的にこの一階部分の乗降ドアが使用されることになります。

ドアの内側は白色に塗装されているため清潔感があります。

車椅子用スペース

各車両の一階部分には車椅子用スペースが2箇所設置されています。

自転車用スペース

カルトレインの既存車両にも設置されている自転車用スペースは、新型車両にも継承されています。なお、7両編成のうち中間車両2両の一階部分全てが自転車用スペースとなっているため、それなりの需要があるものと思われます。

トイレ

車内にはバリアフリー対応のトイレが1編成につき1箇所設置されています。

ドアは手動の引き戸式となっています。

バリアフリー対応のため広々としたトイレとなっています。

おむつ交換台も設置されています。

車内監視カメラ

車内セキュリティー対策の一環として、車内の至る所に監視カメラが設置されています。

運転席

運転席にはLCDディスプレイがずらりと並んでおり、速度計などもデジタル方式となっています。

カルトレインのKISS 160車両概要
Image: シュタッドラー・レール
運行者カルトレイン(Caltrain)
製造者シュタッドラー・レール(Stadler Rail AG)
導入編成161両(7両23本)
※蓄電池車両1編成(4両1本)も導入予定
車両番号301〜323
定員85〜100席/両
営業開始2024年秋〜
運行路線カルトレイン
運行区間サンフランシスコ(4th King Street)〜サンノゼ・ディリドン(San Jose Diridon)
※蓄電池車両:サンノゼ・ディリドン(San Jose Diridon)〜ギルロイ(Gilroy)
最高速度110 mph(177km/h)
制御方式IGBT-VVVFインバータ制御

Source: シュタッドラー・レール

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