メトラ、2027年以降にシュタッドラー製の蓄電池電車「FLIRT AKKU」を導入

シカゴ都市圏の通勤鉄道「メトラ(Metra)」を運行する北東イリノイ地域交通局(Regional Transportation Authority: RTA)は2月21日、ラサール・ストリート(LaSalle Street)駅からブルーアイランド(Blue Island)駅までの約16.4マイル(約26.3km)を結ぶロックアイランド線(Rock Island Line)線ビバリー支線(Beverly Branch)に、スイスの車両メーカー「シュタッドラー(Stadler Rail)」が製造する蓄電池電車「FLIRT AKKU」を導入すると発表しました。同車両は、基本契約分の8編成(2両編成8本)を2027年以降に導入するほか、オプション契約として追加で8編成(2両編成8本)および3両または4両編成化のための増結車32両の導入も検討されています。なお、米国で蓄電池電車の導入が発表されるのはサンフランシスコ・ベイエリアの通勤鉄道「カルトレイン(CalTrain)」に続いて2番目の事例となります。メトラは今後、蓄電池車両の導入が開始される2027年以降に、最も古いディーゼル機関車の退役を開始する予定です。

メトラの路線図(黄色で示した駅が蓄電池電車が運行される区間となります)
Image: Metra
メトラに導入される蓄電池電車のイメージ
エクステリア
Image: Metra

前面のカラーリングはメトラの既存車両同様に白と赤のストライプが入ったものとなっています。なお、側面のカラーリングはメトラのカラーであるブルーを基調としたデザインが採用されています。

Image: Metra

メトラに導入される「FLIRT AKKU」は、フル充電で45〜65マイル(72〜105km)の距離を走行可能で、充電残量20%から80%まで充電するのに必要な時間は20〜30分程度となる予定です。同車両の運行が予定されている区間は片道約16.4マイルなので、一回の充電で最低一往復の運行が可能となります。

インテリア
Image: Metra

車内は、すでにFLIRT車両が運行されているTEXレールなどの車両とほぼ同じデザインとなっています。なお、各座席には充電用USBポートも装備されます。

Image: Metra

また、車内は連結部分を除いてバリアフリーに対応した低床式となっており、車椅子スペースおよび乗降用のリフト、自転車用スペースも設置されます。

車両の概要
Image: Metra
運行者メトラ(Metra)
製造者シュタッドラー(Stadler Rail)
導入編成8編成(2両8本)
※オプション契約分:8編成(2両8本)+増結用中間車32両
車両番号401〜?
定員2両編成の座席数:112
営業開始(予定)2027年以降
運行路線ロックアイランド線(Rock Island Line)線ビバリー支線(Beverly Branch)
運行予定区間ラサール・ストリート(LaSalle Street)駅〜ブルーアイランド(Blue Island)駅
設計最高速度
制御方式IGBT-VVVFインバータ制御
走行可能距離(フル充電時)45〜65マイル(72〜105km)
充電時間充電量20%→80%に要する時間:20〜30分程度

メトラの蓄電池電車は当初2両編成として導入されますが、将来は最大4両編成で運行される予定です。今後、アメリカの他の非電化通勤鉄道路線にも蓄電池電車が導入されていくのか注目されます。

Source: StadlerMetra

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