米国最大規模の再開発「ハドソンヤード」

マンハッタンのミッドタウンウェストに位置するハドソンヤード(Hudson Yards)は、全米有数のデベロッパーRelated Companiesおよびカナダ最大の機関投資家として有名なOxford Properties Groupの主導による米国最大規模の民間再開発プロジェクトです。開発地はMTAのロングアイランド鉄道(Long Island Railroad: LIRR)のウエスト・サイド車庫(West Side Yards)上に位置しており、開発総面積は約11ha、総工費は実に250億ドル(2兆5,000億円)にもおよびます。プロジェクト全体の完成は2024年以降の予定ですが、2019年にフェーズ1がグランドオープンしています。ということで、今回はハドソンヤード・フェーズ1をフォトレポします。

フェーズ1の主要施設
Image: KPF

ハドソンヤードのプロジェクト全体図です。赤線で囲った部分がフェーズ1となっており、合計6棟の超高層ビルと、商業、文化施設などで構成されています。

名称用途最高部(m)延床面積(m2完成年
10ハドソンヤード
(10 Hudson Yards)
オフィス268158,0002016
15ハドソンヤード
(15 Hudson Yards)
住宅28074,3222019
30ハドソンヤード
(30 Hudson Yards)
オフィス、展望施設
店舗
387240,0002019
35ハドソンヤード
(35 Hudson Yards)
オフィス、店舗
高級ホテル
308105,0002019
50ハドソンヤード
(50 Hudson Yards)
オフィス、店舗308264,0002022
(予定)
55ハドソンヤード
(55 Hudson Yards)
オフィス、店舗240120,7002019
ザ・シェッド
(The Shed)
文化施設2019
The Shops & Restaurants
at Hudson Yards
商業施設93,0002019
ヴェッセル
(Vessel)
体験型アート
アトラクション
2019
Source: Wikipedia
マップ
超高層ビル群

ハドソンヤードの超高層ビル群全景です。左から55 Hudson Yards、35 Hudson Yards、30 Hudson Yards、15 Hudson Yards、10 Hudson Yardsとなっています。

こちらは、ハドソン川沿いから見たハドソンヤード全景です。最もノッポなビルは30ハドソンヤード(30 Hudson Yards)で最後部の高さは約387mあります。なお、30ハドソンヤードにはエッジ(Edge)呼ばれる西半球で最も高い屋外展望台が設置されています(エッジについてはこちらから)。

ハドソン川の対岸、ニュージャージー側から見たハドソンヤード全景です。

こちらはハドソンヤードで最初にオープンした10ハドソンヤード(10 Hudson Yards)です。ハドソンヤードのビル群の中ではあまり目立たないビルですが、最高部は約267mあるので、東京一高いビル(2021年4月時点)虎ノ門ヒルズ 森タワー(約256m)よりも高いビルです。

30ハドソンヤードの横で建設が進む50ハドソンヤードです。三井不動産が開発に参画しており、ハドソンヤードのみならずマンハッタンでも最大規模の延床面積を誇るビルとなる予定です。オフィスフロアにはFacebookの米国東海岸最大拠点などが設置される予定です。

ザ・ショップ・アンド・レストラン・アット・ハドソンヤード

ハドソンヤードの商業施設、ザ・ショップ・アンド・レストラン・アット・ハドソンヤード(The Shops and Restaurants at Hudson Yards)の外観です。モール内には100以上の店舗やレストランがあり、日本の無印良品やユニクロも出店しています。なお、2019年オープン時にはテキサス州ダラスに拠点を置く百貨店、ニーマン・マーカス(Neiman Marcus)のニューヨーク初店舗もありましたが、コロナの影響で経営破綻したため現在は閉店しています。

こちらは10thアべニュー側のエントランスです。無印良品のロゴが目を引きます。

ベッセル側のエントランスです。地下鉄7系統のハドソンヤード駅を使うとこちらのエントランスからアクセスすることになります。

モール内は4層吹き抜けの空間が広がっており、とても開放感があります。どことなく東京ミッドタウンやグランフロント大阪のような雰囲気です。

ベッセル

ベッセルは、イギリス出身の3次元デザイナー、トーマス・ヘザーウィック(Thomas Heatherwick)氏によってデザインされた体験型アートのアトラクションです。入場は無料ですが予約が必要です(現在は諸事情により無期限閉鎖中です)。

真下から見上げたベッセルです。

ザ・シェッド

ザ・シェッド(The Shed)は多様なアート作品の展示やフィルム、コンサートなどのに対応が可能な多目的文化施設です。なお、特徴的な大屋根は可動式となっています。

10ハドソンヤードから撮影した建設時のザ・シェッドです。

ウェスト・サイド車庫

ハドソンヤード・フェーズ2の敷地となるロングアイランド鉄道ウェスト・サイド車庫の様子です。ハドソンヤードの高層ビル群を背景に、車両長が26メートルもあるロングアイランド鉄道の車両がずらりと並んでいます。ちなみに日本の新幹線車両の車両長は25メートルなので、ロングアイランド鉄道の車両がいかに長いか想像していただけるかと思います。

フェーズ2が完成するとこのウェスト・サイド車庫上空は完全に建物に覆われてしまいますので、このダイナミックな景観もまもなく見納めとなります。

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