スイス連邦鉄道(Swiss Federal Railways: SBB)は6月15日、2026年に予定しているドイツ直通列車サービスの拡大に向けて、最高速度250km/hに対応した新型電車7編成をシュタッドラー・レール(Stadler Rail)に発注しました。今回発注された車両は、2019年から「Giruno」の愛称で運行が開始されているシュタッドラーの動力分散方式の部分低床式高速鉄道車両「SMILE」で、これまでに合計29編成が導入されています。これらの車両は現在、チューリッヒ(Zurich)およびバーゼル(Basel)から世界最長の鉄道トンネルである「ゴッタルド・ベース・トンネル(Gotthard Base Tunnel)」を通り、ミラノ(Milan)、ジェノヴァ(Genova)、ボローニャ(Bologna)、ヴェネツィア(Venice)を結ぶユーロシティ(EuroCity)路線で運行されています(SBB)。
一方ドイツ直通列車については、最高速度250km/hに対応した「Astoro(ETR610)」と1980年代後半に導入された250km/h非対応のEurocity車両で運用されていますが、今回の新型車両7編成の増備によって、ドイツ国内の高速線で要求される最高速度250km/h運転に対応できる車両が増えることになり、バーゼル(Basel)経由でドイツ各地を結ぶ列車などが設定される予定です。
Source: Stadler
エクステリア
スイス連邦鉄道のコーポレートカラーである赤と白を基調としたカラーリングが流線型のフォルムにマッチして非常に洗練された外観となっています。ヘッドライトにはLEDが採用されています。
世界最長の鉄道トンネルである「ゴッタルド・ベース・トンネル(Gotthard Base Tunnel)」から顔を出したGirunoです。Girunoは1編成11両で2編成の増結運転も可能となっています。
乗降扉にはトンネル進入時の気圧変動に対応した片開式のプラグドアが採用されています。
また、スイスおよびイタリアと異なるドイツのホーム高でも車椅子での乗降を可能にするため、一部の車両には高さの異なる位置に乗降扉が設置されています。
行先表示器はLCD式できめ細やかな情報が表示が可能となっています。
インテリア
ファーストクラスの車内です。座席は1列+2列配置でゆったりしたスペースとなっています。
ファーストクラスの座席背面は木目調となっており高級感が感じられます。
ファーストクラス、セカンドクラスとも各座席にはコンセントや車内WiFiが装備されています。
セカンドクラスの車内です。座席は2列+2列配置となっており、天井には車内情報案内モニターが枕木方向に設置されています。車内照明はファーストクラス同様全てLED照明となっています。
食堂車の車内です。二人席と四人席の合計17席が設置されています。
セカンドクラスのトイレ付近の様子です。
自転車用のスペースと大型荷物置き場も設置されています。
スイス連邦鉄道「Giruno」の概要
運行者 | スイス連邦鉄道(Swiss Federal Railways: SBB) |
製造者 | シュタッドラー・レール(Stadler Rail) |
導入編成 | 36編成(11両36本)※29編成が導入済 |
車両番号 | RABe 501 001〜RABe 501 036 |
定員 | 405席(ファーストクラス: 117席、セカンドクラス: 288席)、食堂車17席 |
営業開始 | 2019年〜 |
運行路線 | ユーロシティ(EuroCity) |
運行対応国 | スイス、ドイツ、イタリア、オーストリア |
設計最高速度 | 250km/h |
制御方式 | IGBT-VVVFインバータ制御(ABB製) |
コメントを残す