ペンシルベニア州フィラデルフィア近郊の通勤鉄道などを運行するSEPTA(南東ペンシルバニア交通局)は、2017年に、中国の車両メーカー「中国中車(CRRC)」に新型2階建通勤車両45両を1億8,500万ドル(約287億6,000万円)で発注していましたが、納期の大幅な遅れなどを理由に同社との契約を打ち切ることを決定したと複数のメディアが報じました。CRRCが製造する新型車両の第1陣は、2020年末までにSEPTAに引き渡される予定でしたが、2024年4月時点においても納車された車両はゼロとなっています。このため、SEPTAは現在、これまでにCRRCに支払い済みの約5,000万ドル(約77億7,000万円)を回収するための方法を検討中としています。今後は、CRRCが製造する予定だった新型車両の代替を他の車両メーカーに発注するのかを含め、SEPTAの動向が注目されることになります。
CRRCについては、ボストン地下鉄のオレンジおよびレッドライン向けの新型車両も大量受注していますが、こちらも納期の大幅な遅れや納車済み車両での欠陥が問題となっています。さらに、LAメトロの地下鉄車両についても納期の大幅な遅れなどが原因で基本契約分のみで契約が打ち切られるなど、同社の米国市場における信頼低下は避けられない状況となっています。
Source: The Philadelphia Inquirer、CBS News Philadelphia
※1米ドル=155円で計算
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