スイスのTMR(Transports de Martigny et Régions)とフランス国鉄(French National Railway Company: SNCF)は14日、西ヨーロッパ最高峰の山として有名なモンブラン(Mont Blanc)の麓にあるリゾート地シャモニー(Chamonix)などへのアクセス列車「モンブラン・エクスプレス(Mont Blanc Express)」向け新型車両の製造者について、スイスの車両メーカーであるシュタッドラー・レール(Stadler Rail)に決定したと発表しました。新型車両は、TMRが3編成(形式: Beh 4/8)、SNCFが4編成(形式: Z890)の合計7編成(2両編成7本)が2024年9月から2025年7月にかけて製造されることとなっており、2025年末には全線で新型車両の運行が開始される予定です。
なお、今回の新型車両の導入によって1996年から97年にかけて製造された5編成のZ800形車両が置き換えらることになり、同列車のバリアフリー化が進められると同時にメンテナンスコストの大幅な削減が期待されています。
モンブラン・エクスプレスの概要
モンブラン・エクスプレスは、フランスのサン・ジェルヴェ・レ・バン(St Gervais-Le Fayet)駅からスイスのマルティニ(Martigny)駅までの55kmの区間をおよそ2時間20分で結ぶ列車で、全区間を走る列車は、ほぼ終日にわたり1時間に1本運行されています(2022年夏ダイヤ)。なお、サン・ジェルヴェ・レ・バンではフランス国鉄の列車と、マルティニではスイス連邦鉄道の列車と接続しています。
同列車が走る区間には、ラック式鉄道区間(シュトループ式)と粘着式鉄道(いわゆる普通の鉄道)の区間があり、ラック式区間の最大勾配は200‰、それ以外でも最大勾配が90‰となっています。また、集電方式も第三軌条方式と架線集電方式の区間があるため、新型車両はこれら全ての方式に対応する車両となります。
Source: Bahnonline.ch
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