ワシントン首都圏交通局(Washington Metropolitan Area Transit Authority: WMATA)の7000形は、2015年から運行開始された最新地下鉄車両です。 同車両は、老朽化した1000形の置き換えおよび2014年のシルバーライン開業に合わせた車両増備用として428両が製造されました。その後、4000型の置き換えおよび輸送力増強用として追加で320両が製造されました。7000形は、ワシントンメトロとしては初めてとなるステンレス車体の採用され、車内には人間工学に基づいた座席、監視カメラ、車内案内ディスプレイが設置されるなど、最新設備を備えた車両となっています。また、748両全てが川崎重工の現地法人であるKawasaki Rail Car, Inc.によって製造されたため、2020年時点でワシントンメトロが所有する地下鉄車両の半数以上が川崎重工製となっています。
エクステリア
8000形の前面はブラックフェイスとなっています。ワシントンメトロの車両は、シールド工法で造られたトンネル断面に合わせるかのように車体が上部に向かって傾斜しています。デザインを担当したのがantennaの宇田川信学氏だからかは分かりませんが、どことなくニューヨーク市地下鉄のR160形にも似ています。
地下線部分では、トンネルを照らす間接照明によってSFチックな空間が生まれます。照明も最近LEDに更新されたようでよりシャープな印象になりました。7000形車両が静かにホームに入ってくると近未来的な感じがします。
軌道部分からトンネルの天井部分を照らしているLED照明が、7000形で初採用されたステンレス製の車体に反射してとてもカッコいいです。
このような7000形同士のすれ違いも頻繁に見ることができます。ちなみに、7000形は4両+4両の8両編成で運行されるのが基本ですが、3両+3両の6両編成も組めるように設計されています。
インテリア
車内はドアの横を除いてクロスシートが基本です。ワシントンメトロの旧型車両で見られたカーペット敷きの床は、衛生面の観点から採用されていません。
ロングシート部分には、ワシントンメトロのロゴが入ったガラス仕切りが設置されています。
車椅子スペースは、床の色がブルーになっています。
ドア横には液晶ディスプレイが設置されました。走行位置案内、次駅案内、路線図、ドアの開閉位置、乗換え案内などが表示されます。ただ、文字が小さくて読み難いです。
ニューヨーク市地下鉄で見られるようなLED式の停車駅案内も設置されています。こちらは液晶ディスプレイよりも視認性は良いですが、表示できる文字数が限られるため多くの駅名が略式で表示されるので、慣れない人には分かり難いかもしれません。ただ、音声案内と合わせて非常に重宝する設備です。
天井のエアコンユニットの出っ張り部分にもLED式案内表示版が設置されています。
ドアの開閉ランプは扉の下部にも設置されています。
最後は、川崎重工製であることがわかるようにネームプレートを載せておきます。
7000形車両の概要
運行者 | ワシントンメトロ(Washington Metropolitan Area Transit Authority: WMATA) |
製造者 | 川崎重工業(Kawasaki Rail Car, Inc.) |
編成(車両)数 | 748両 |
車両番号 | 7000〜7747 |
定員 | – |
営業開始 | 2015年〜 |
運行路線 | Red、Blue、Orange、Silver、Green、Yellow |
運行区間 | 全区間 |
設計最高速度 | 121 km/h |
制御方式 | IGBT-VVVFインバータ制御(東芝) |
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