R160形は、2006年から運行が開始されたニューヨーク市交通局(New York City Transit: NYCT)が運行するニューヨーク市地下鉄の車両です。老朽化したBディビジョンの車両を置き換えるのを目的に、2005年から2010年にかけて合計1,662両が製造されました。現在、ニューヨーク市地下鉄で運行されている車両で最も製造数が多い形式です。製造はアルストム(Alstom)と川崎重工(Kawasaki Rail Car, Inc.)が担当しアルストムの車両はR160A形、川崎重工の車両はR160B形と分類されていますが、基本的に同じ車両となっています。
今回はニューヨーク市地下鉄のフラッグシップトレイン、R160形についてフォトレポします。
エクステリア
地上区間を走るR160形車両です。前面はブラックフェイスとなっています。これまでの形式と異なり系統番号は赤色LEDで表示されます。デザインを担当したのはantennaの宇田川信学氏で、同じくニューヨーク地下鉄のR142/R142A形車両のデザインも担当しています。
側面は無塗装のステンレス製車体となっています。いかにも合理主義的なアメリカらしいですね。
側面のLED行先表示には系統番号と行先が表示されるます。窓は小さめです。
インテリア
車内はクロスシートとなっています。シートは清掃がしやすいようFRP製を採用しています。硬いので長時間座っているとさすがに腰が痛くなりますが、短距離の移動であればそれほど悪くはありません。
インテリアは主にニューヨーク特有のグラフィティや汚れ対策を中心にしたデザインが採用されています。まず、明るめの色調で傷などを目立ちにくくする壁材や照明を採用することで、心理的に落書きなどをし難くくしています。床材は黒色で汚れが目立ち難いようになっています。また、主に防犯用に設置された袖仕切りもステンレスのバーにすることで落書きなどをし難いような工夫が施されています。
情報案内装置としてLED式の停車駅案内表示器が設置されています。シンプルながら非常によく出来ていて、運行ルートや停車駅が変更された場合には特に重宝します。
上記の停車駅案内表示器以外にも天井のエアコンユニットの出っ張り部分にLED表示器が設置されており、こちらは系統、次駅案内および現在時刻が表示されます。
2017年から実施されているリニューアル工事施工車には横長のLCDディスプレイも設置されています。
R160形の入線シーン
R160A形車両の概要
運行者 | ニューヨーク市交通局(New York City Transit: NYCT) |
製造者 | アルストム(Alstom) |
編成(車両)数 | 1,002両 |
車両番号 | 4両編成(8313–8652、9943–9974) 5両編成(8653–8712、9233–9802) |
定員 | – |
営業開始 | 2006年〜 |
運行路線 | Bディビジョン |
運行系統 | アルファベット系統 |
設計最高速度 | 55 mph(89 km/h) |
制御方式 | Alstom Onix 800 IGBT-VVVFインバータ制御(8313–8712、9103–9802、9943-9974) |
R160B形車両の概要
運行者 | ニューヨーク市交通局(New York City Transit: NYCT) |
製造者 | 川崎重工(Kawasaki Rail Car, Inc.) |
編成(車両)数 | 660両 |
車両番号 | 5両編成(8713–9232、9803–9942) |
定員 | – |
営業開始 | 2006年〜 |
運行路線 | Bディビジョン |
運行系統 | アルファベット系統 |
設計最高速度 | 55 mph(89 km/h) |
制御方式 | Alstom Onix 800 IGBT-VVVFインバータ制御(8713–8842、9803–9942) Siemens SITRAC IGBT-VVVFインバータ制御 (8843–9102) |
Source: MTA, antenna
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