キャピタルメトロ、シュタッドラーのGTW車両

キャピタルメトロ(Capital Metropolitan Transportation Authority: Capital Metro)が運行するレッドライン(Red Line)は、テキサス州、オースティン(Austin)のダウンタウンと北部郊外エリアを結ぶ通勤鉄道として2010年に開業しました。2021年時点において、オースティンを走る唯一の通勤鉄道路線となっています。レッドラインは、既存の貨物線を旅客線に改良した路線で全線非電化路線となっています。そのため、車両には環境面にも配慮された電気式気動車が導入されました。

そのレッドラインの車両には、スイスのシュタッドラー・レール(Stadler Rail AG)のGTW(Gelenktriebwagen: ドイツ語で連接式の車両を意味する)と呼ばれる部分低床式車両が採用されています。GTWはヨーロッパでは多くの導入実績がありますが、アメリカでの導入事例はNJトランジット(New Jersey Transit: NJ Transit)のリバーライン(River Line )に続いて2例目となります。今回は、キャピタルメトロのGTWをフォトレポします。

エクステリア

流線型の先頭車がカッコいい全面デザインです。

写真は初期導入車両です。2015年に追加導入された4両は行き先表示器がLEDになっています。

側面のカラーリングはレッド、ブラック、グレーを基本としています。このカラーリングはキャピタルメトロのBRT路線でも使用されています。

乗降扉はレッドで塗装されており、乗車位置が分かり易くなっています。

こちらは中間動力ユニットです。この部分にディーゼルエンジンが搭載されています。

インテリア

クロスシートが基本となっていますが、一部にボックス席が採用されています。なお、転換式の座席ではないため座席の方向は固定されています。

ボックス席の一部にはテーブルも設置されており、グループ利用には最適です。また、足元も十分な広さがあり快適です。

奥の台車のある部分は少し高くなっておりステップがあります。バリアフリーに車両側で対応することで駅施設にかかるバリアフリーコストを下げる方法はアメリカやヨーロッパでは多く見られます。

車内には、LED情報案内装置が設置されています。

乗降扉の上にはシンプルな路線図が表示されています。

ホームとの隙間や段差がないバリアフリー設計になっています。

車椅子や大型の荷物に対応したスペースも設置さています。

このスペースに自転車を置くことも可能です。

中間動力車の内部はこんな感じで通路になっており、基本この部分で立ち止まることはできません。また、夏季はディーゼルエンジンの熱が伝わってくるので非常に暑くなります。

FLIRT車両の概要
運行者キャピタルメトロ(Capital Metropolitan Transportation Authority)
製造者シュタッドラー・レール(Stadler Rail AG)
導入編成10編成(2両連接編成+ 中間動力車)
車両番号101〜106、201〜204(2015年導入分)
定員200人(108席)
営業開始2010年〜
運行路線レッドライン(Red Line)
運行区間オースティン・ダウンタウン(Downtown)駅〜レンダー(Leander)駅
設計最高速度120km/h(営業最高速度:97km/h)
制御方式電気式気動車(IGBT-VVVFインバータ制御:ABB社製)
Image: Stadler

Source: Stadler

«
»

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です