ニューヨーク州都市交通局(MTA)は3日、ブルックリンにあるニューヨーク市都市交通局(NYC Transit)コニーアイランド車両基地(Coney Island Yard)において、今年から営業運転を開始する予定の新型地下鉄車両「R211形」を公開しました。R211形は、ニューヨーク市地下鉄のうち、車体幅が広い車両が使用されるBディビジョン(アルファベット系統)向けの新型車両で、最大1,612両が川崎車両の米国現地法人であるKRC(Kawasaki Rail Car, Inc)によって製造されることとなっています。なお、今回公開されたR211形は、ニューヨーク地下鉄では初となる車両貫通路(Open Gangway)を採用した「R211T形」と呼ばれるもので、車両貫通路を本格採用するかを検討するために試験的に導入される20両の一部となります。
MTAでは、車両間通路を採用していない「R211A形」を今年春ごろからA、C系統で、今回公開された車両間通路試験タイプの「R211T形」を今年10月以降に営業運転に投入するとしています。
Source: MTA
エクステリア
既存車両の面影を残しつつも、ブルーのカラーリングや斜めに配置されたLEDヘッドライドがニューヨーク地下鉄の新時代の幕開けを感じさせてくれる前面デザインとなっています。また、系統表示には大型のフルカラーLEDが採用されており、視認性が向上しています。
既存のR160形と異なり、貫通扉と前面窓ガラスの段差が解消されていることからスマートな印象となっています。
ニューヨーク地下鉄は第三軌条のため、パンタグラフがなく屋根がすっきりしています。
車両貫通路が試験的に採用されたR211T形の連結部です。車両間には大きな連結用ホロが設置されています。
インテリア
ニューヨーク地下鉄では初めてとなる車両間通路が採用されたR211T形の車内です。
シート形状や袖仕切りのデザインは既存のR160形とほぼ同じですが、シートおよび床に濃いブルーが採用されているため印象が大きく異なります。
車椅子用スペースには折り畳み座席が採用されており、シートも優先席同様に黄色になっています。なお、車両間通路が採用されていない「R211A形」の量産先行車では、スタンションポールが全て黄色となっていましたが、今回公開された「R211T形」では既存車両と同じく無塗装となっています。この変更が、今後導入される車両全てに反映されるのかは、現時点では不明です。
混雑時の乗降時間短縮をはかるため、これまでの車両よりも幅が広い58インチ(約147cm)の乗降ドアが採用されています。また、戸袋部には広告用の液晶ディスプレイも設置されています。
ドア上に設置された車内情報案内ディスプレイです。これまでのLEDマップ式よりも格段に情報量が増え見やすくなっています。
フルカラーLEDの車内情報案内装置や車内防犯カメラも設置されています。
運転台には大型の液晶モニターが3台設置されています。モニターには、セキュリティー対策として車内防犯カメラの映像も映し出されています。
車両間通路を車内から見た様子です。今後、この試験車両を用いた営業運転のフィードバック次第で、後期車に車両間通路が採用されるかが決まる予定です。
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