オーストリア連邦鉄道、新型「ナイトジェット」の車内を公開!

オーストリア連邦鉄道(Austrian Federal Railways: ÖBB)は6日、ヨーロッパ各都市を結ぶ国際夜行列車「ナイトジェット(Nightjet)」へ導入される新型寝台客車のインテリアを、車両製造元であるシーメンス・モービリティ(Siemens Mobility)のウィーン工場で公開しました。新型ナイトジェットは、2025年末までに合計33編成(7両編成33本)が導入される予定で、まずは2023年夏頃から、人気路線であるウィーンおよびミュンヘンからローマ、ヴェネツィアおよびミラノを結ぶ路線への投入が予定されています。新型ナイトジェットでは、従来車両を使用したナイトジェットと同様に寝台個室、クシェットと呼ばれる簡易寝台個室、普通座席などのサービスが提供されるほか、クシェットの新たな客室設備としてカプセルホテルのような「ミニ・キャビン(Mini Cabin)」も提供されます。

※2023年12月10日から運行開始しました!

Image: ÖBB / Marek Knopp

ナイトジェットは、2016年にドイツのシティナイトラインの一部をÖBBが引き継ぐ形で運行を開始して以来、利用者のニーズを徹底的に追求したサービスを提供することで、近年では珍しい夜行列車の成功例として注目されています。今回の新型車両の投入によって、ナイトジェットの更なるサービス向上が期待されており、全編成が出揃う2025年末ごろには、オーストリア、ドイツ、イタリア、スイス、オランダなどの主要都市を、最新設備を備えた夜行列車で移動できるようになります。

Source: ÖBBSiemens

新型ナイトジェットの車内
スリーピング・カー・コンフォート・プラス(Sleeping car comfort plus)
スリーピング・カー・コンフォート・プラスの個室内
Image: ÖBB / Harald Eisenberger

7両編成で組成されている新型ナイトジェットのうち2両は寝台個室を備える車両となり、1両につき10室の個室が設置されています。そのうち1室は、スリーピング・カー・コンフォート・プラス(Sleeping car comfort plus)と呼ばれるデラックス個室となっています。

スリーピング・カー・コンフォート・プラスの個室内
Image: ÖBB / Harald Eisenberger

下段のテーブルはソファーとしても利用可能となっており、車内WiFiなどを利用しながら快適な移動空間を楽しむことができます。また、LED照明は明るさだけでなく色も調整できるようになっており、利用者の好みに応じた雰囲気を演出することが可能となっているほか、ナイトジェットの全ての個室にはコンセント、充電用USBポート、非接触充電器が設置されています。

スリーピング・カー・コンフォート・プラスのシャワールーム
Image: ÖBB / Harald Eisenberger

コンフォート・スリーパー・プラスには、個別のシャワーブースが設置されています。

スリーピング・カー・コンフォート(Sleeping car comfort)
スリーピング・カー・コンフォートの個室内
Image: ÖBB / Harald Eisenberger

こちらは、寝台個室のうちスリーピング・カー・コンフォート(Sleeping car comfort)とよばれる通常の2人用個室となります。

スリーピング・カー・コンフォートの個室内
Image: ÖBB / Harald Eisenberger

スリーピング・カー・コンフォート・プラス同様に下段に設置されているテーブルはソファーとしても使用できます。

スリーピング・カー・コンフォートのバスルーム
Image: ÖBB / Harald Eisenberger

コンフォート・スリーパーのバスルームです。コンフォート・スリーパーには、シャワー、トイレ、洗面台が1箇所にコンパクトにまとめられたバスルームが設置されています。

Image: ÖBB / Harald Eisenberger

白と木目調を基調としたモダンでシンプルな寝台個室車両の通路部分です。なお、ナイトジェットの全ての個室のドアはNFCによりロック解除が可能となっています。

ミニ・キャビン(Mini Cabin)
ミニ・キャビンのイメージ
Image: ÖBB / Harald Eisenberger

7両編成のうち3両はクシェット(Couchette)と呼ばれる簡易寝台車両となり、ミニ・キャビン(Mini Cabin)と呼ばれる一人用寝台が1両につき28室設置されています。ミニ・キャビンはカプセルホテルのような空間となっており、扉を閉めることでプライバシーを確保することができ、女性の一人旅などでも安心して利用することができます。

ミニ・キャビンのイメージ
Image: ÖBB / Harald Eisenberger

壁に設置されているスライド式のミラーはテーブルとしても利用可能となっています。

ミニ・キャビンのイメージ
Image: ÖBB / Harald Eisenberger

各ミニ・キャビンの枕元には小窓が設置されているほか、その他の個室同様に、LED照明の調光機能、非接触充電器なども設置されています。さらに、友達同士やカップルで利用する場合は、窓横の赤いパティーションを開けることで会話を楽しむこともできます。

Image: ÖBB / Kerschner

ミニ・キャビンを外から見た様子です。階段部分のスペースも有効活用されており、荷物置き場となっています。

Image: ÖBB / Kerschner

ミニ・キャビンの通路の様子です。まさにカプセルホテルといったイメージです。なお、ミニ・キャビンの扉もNFCでロック解除が可能となっています。

クシェット・カー・コンフォート(Couchette car comfort)4人用個室
クシェット・カー・コンフォートの個室内
Image: ÖBB / Harald Eisenberger

クシェット車両には、クシェット・カー・コンフォートと呼ばれる4人用個室も設置されています。

クシェット・カー・コンフォートの個室内
Image: ÖBB / Harald Eisenberger

クシェット・カー・コンフォートは、相部屋または貸切としても利用可能な設備となっています。

クシェット・カー・コンフォートの個室内
Image: ÖBB / Harald Eisenberger

下段部分はソファーとしても利用可能です。

バリアフリー対応個室(Barrier-free compartment comfort)
普通席車両に設置されているバリアフリー対応個室
Image: ÖBB / Harald Eisenberger

ナイトジェットには普通席車両も2両設置されます。普通席車両には自転車用スペースが6台分設置されるているほか、バリアフリー対応のクシェット4人用個室やバスルームも設置されています。

普通席車両に設置されているバリアフリー対応個室
Image: ÖBB / Harald Eisenberger

バリアフリー対応のため、他の個室よりも広々とした室内となっています。

普通席車両に設置されているバリアフリー対応個室
Image: ÖBB / Harald Eisenberger

他の個室同様にLED照明の調整なども可能となっているほか、折りたたみ式のシートも設置されています。

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