フランス国鉄、第4世代のTGV車両となる「TGV M」を追加発注!2024年以降にデビュー予定

フランス国鉄(SNCF)は8月18日、2024年からTGV(フランスの高速鉄道)の主要路線である「南東高速線(LGV Sud-Est: LN 1)」などへの導入が予定されている新型車両「TGV M(Mはモジュラーの頭文字)」を、15編成追加発注したと発表しました。TGV Mは、SNCFとフランスの車両メーカーであるアルストムが第4世代のTGV車両として2016年から共同開発を開始したもので、2018年に100編成が発注されました。なお、同車両のアルストムにおけるブランド名は「アヴェリア・ホライゾン(Avelia Horizon)」となっています。TGV Mのプロトタイプ車両は2022年後半から試運転を開始する予定で、量産車両は2033年にかけて導入される予定です。

Image: Alstom Advanced & Creative Design

Source: Alstom

車両デザイン
エクステリア
Image: Alstom

通常のTGV列車であるイヌイ(TGV inOui)のカラーリングをまとったイメージです。TGV Mの客車は2階建てタイプとなっており、1編成あたり7両から9両の連接車として導入される予定です。

Image: SNCF (Eric Pothier)

アルストムのベルフォール工場(Belfort workshops)で製造中の先頭動力車です。TGV Mは、これまでのTGV車両と同様に動力集中方式となっていますが、消費電力は従来車両と比較して2割削減、さらに車両をモジュール化することで製造コストも大幅に削減されてます。また、車両の97%はリサイクル可能となっており、環境にも配慮した車両となります。

Image: SNCF (Eric Pothier)

前面の形状は、アムトラックのアセラ向けに導入される「アヴェリア・リバティ(Avelia Liberty)」とほぼ同じデザインとなっています。

Image: Amtrak

こちらは、2023年の営業開始に向けて試運転が行われているアムトラック向けのアヴェリア・リバティです。なお、アムトラック向けは2階建て車両ではありません。

Source: SNCF

インテリア
Image: Alstom

2階部分の車内イメージです。これまでのTGV車両とは異なり、非常に落ち着いたトーンでまとめられています。また、大型窓が採用されていることで解放感のある車内空間となっています。

Image: Alstom

1階部分の車内イメージです。車内案内ディスプレイ、車内WiFi、充電用コンセントなど、最新車両のスタンダートといえる車内設備が採用されています。

Image: Alstom

2階のデッキ部にはボックス席のようなシートも設置されるようです。

1編成あたりの座席数は600〜740席、車内レイアウトを一等車から二等車へ変更することも可能な設計となっていることから、格安TGV列車ブランドのウィゴー(Ouigo)への導入も想定しているものと思われます。

Image: Alstom

こちらはデッキ部のイメージです。

Image: Alstom

食堂車(Bar)は2階まで吹き抜けの構造となるようで、かなり解放感のある空間となります。

Image: Alstom

車椅子利用者向けのバリアフリー設備も充実させ、補助なしでの利用も可能となります。

Source: Alstom

TGV M(Avelia Horizon)の概要
運行者フランス国鉄(SNCF)
製造者アルストム(Alstom)
導入編成(予定)2018年7月発注分:100編成(2階建7〜9連接車両)
2022年8月発注分:15編成
車両番号
定員600〜740席
営業開始(予定)2024年〜
運行路線南東高速線(LGV Sud-Est: LN 1)など
運行区間パリ・リヨン駅〜リヨン・パールデュー駅など
設計最高速度350km/h(営業最高速度: 320km/h)
制御方式IGBT-VVVFインバータ制御(Alstom)
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