日立レール(Hitachi Rail)は21日、メリーランド州ワシントン郡にワシントンメトロ(Washington Metropolitan Area Transit Authority: WMATA)の新型車両を製造する車両工場を建設すると発表しました。ワシントンメトロの新型車両は「8000形(8000-series)」と呼ばれ、2024年から導入が開始され、オプション契約を含めると合計800両が導入される予定です。今回の車両工場建設への投資額は、7,000万ドル(約83億円)となる予定で、新工場はワシントンメトロの車両製造のみならず、北米マーケットのシェア拡大を目指す同社にとって、重要な製造拠点として位置付けられるようです。なお、新工場での車両製造開始は2023年末以降となる予定です。
新工場の概要
日立レールの新工場は、ヘイガーズタウン(Hagerstown)のホープウェル・バレー工業団地(Hopewell Valley Industrial Park)に隣接するグリーンキャッスル・パイク(Greencastle Pike)付近に建設されます。
ヘイガーズタウン都市圏は、人口が密集するアメリカ北東部の各都市から程よい距離にあるため、同エリアの重要な物流拠点となっています。また、ワシントンメトロの車両搬入拠点であるグリーンベルト車庫(Greenbelt Rail Yard)からもおよそ90分の距離に位置しています。
工場の敷地面積は41エーカー(約166,000平方メートル)、建屋面積は30万7,000平方フィート(約2万8500平方メートル)となり、敷地内に全長約730メートルの試験線も建設されます。同工場のフル稼働時の生産能力は月産20両で、地下鉄車両のみならず高速鉄道車両など多種多様な車両製造にも対応する予定です。
もしかすると、日本の新幹線システムの導入が決まっているテキサスセントラル鉄道やJR東海の超電導リニア技術を使用するノースイーストマグレブなどが実現した場合、同工場で製造されるN700S系やリニア車両が誕生する日が来るかもしれません。
※1米ドル=119円で計算
Source: Hitachi Rail
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