ワシントンメトロ(Washington Metropolitan Area Transit Authority: WMATA)は23日、シルバーライン(Silver Line)の延伸工事を行なっているワシントン都市圏空港局(Metropolitan Washington Airports Authority: MWAA)から、列車運行などに必要な権限をWMATAに移行する手続きが完了したと発表しました。この手続きの完了は、延伸区間の開業に向けた準備が最終段階に入ったことを意味しており、今後実施される各種試運転などにおいて安全基準を全てクリアできれば、いよいよ開業の運びとなります。なお、延伸区間の正式な開業日はまだ発表されていませんが、WMATAでは早ければ今秋にも開業できるとしています。
シルバーラインは、2014年7月から運行を開始した比較的新しい路線で、第2期整備区間としてダラス国際空港(Dulles International Airport)駅を含む6駅、11.4マイル(約18km)の延伸工事が進められていました。この延伸区間の開業によって、長年の悲願であった、アメリカの首都の国際線玄関口であるダレス国際空港と都心部を結ぶ鉄道アクセスがようやく完成することになります。
ダレス国際空港からメトロセンター(都心部)までのアクセス比較
交通機関 | 所要時間 | 運行間隔 | 片道運賃 |
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ライドシェア | 35~65分 | オンデマンド | 50ドル前後 |
タクシー | 35~65分 | オンデマンド | 63~80ドル |
メトロバス(5A系統)* | 50分 | 60分間隔 | 7.75ドル |
シルバーライン (バス乗継ぎ) | 65分 | 15〜20分間隔 | バス: 5ドル 地下鉄: 2.25〜6ドル |
シルバーライン (延伸開業後) | 53分 | 10〜12分間隔 | 2.25〜6ドル |
シルバーラインは10〜12分間隔(夜間は15分間隔)での運行が予定されており、ダレス国際空港からメトロセンター(都心部)までの所要時間は乗り換えなしで53分となる予定です。これは、現在の最短アクセス方法であるタクシーやライドシェアなどと比較して時間短縮効果はほぼありませんが、運賃や利便性の面で非常にメリットがあるといえます。なお、ワシントンD.C.はアメリカでは数少ない地下鉄が発達している都市で、ダレス国際空港にはANAやユナイテッド航空が東京からの直行便を運行していることから、日本からワシントンD.C.を訪れる人にとっても利便性の向上が期待されます。
Source: WMATA
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