アムトラック(Amtrak)は、2021年春のデビューを予定していた新型アセラの運行開始時期を1年程度延期すると発表しました。新型アセラのプロトタイプ車両は、2020年2月から第一編成がコロラド州にあるプエブロ実験線にて、第二編成が実際の運行区間である北東回廊(Northeast Corridor)において走行試験が実施されてきました。試験の結果、プエブロ実験線においては比較的良好な結果が得られたものの、実際の走行区間である北東回廊の試験においては、カーブが多く老朽化した路線であるため、架線からの電力供給が安定しないことがわかり、車両の設計変更が必要になったということのようです。またパンデミックの影響で、新型車両の製造元であるフランスのアルストム(Alstom)社からの納入や、アムトラックの従業員のトレーニングにも遅れが生じているとしています。
アムトラックは、パンデミックから徐々に回復しつつある鉄道利用が新型アセラのデビューによってさらに伸びると予測していましたが、今回の延期決定によるダメージは避けられない状況です。なお、新型車両の設計変更を反映した第2段階の走行試験については、最終的な運行許可を発行する連邦鉄道局(Federal Railroad Administration: FRA)の助言を得ながら再開するとしています。
また、当初プロトタイプ2編成による運行開始が予定されていましたが、今回の延期によりアルストムの遅れている車両製造も加速させることができ、来年の運行開始時には6編成による運行が可能になるとしています。
※2023年6月現在、新型アセラの運行開始は再々延期され2024年頃からとなっています。
Source: Washington Post
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