ニューヨーク地下鉄、川崎車両製の新型地下鉄車両「R211形」のオプション製造分を発注か

ニューヨーク州都市交通局(Metropolitan Transportation Authority: MTA)は24日、来春の営業運転開始を目指して現在試運転が実施されている新型地下鉄車両「R211形」について、第1次オプション製造分となる640両(5両編成128本)の発注を、26日にも確定する見通しであると発表しました。R211形は、Bディビジョン(アルファベット系統)向けの次世代地下鉄車両として、2018年に川崎車両の米国現地法人であるKRC(Kawasaki Rail Car, Inc)に535両が発注されました。この契約には最大で1,077両分のオプションが付随しており、今回、その第1次分として予定されていた全車両が発注されることになります。なお、NYCT(New York City Transit)の調達資料によると、今回のオプション契約の発注予定金額は約17億8,000万ドル(約2,600億円)となっています。

第一次オプション製造分の車両製造は、KMM(Kawasaki Motors Manufacturing Corp., U.S.A)のネブラスカ州リンカーン工場で行われますが、最終組立や機能試験などについては、KRCのニューヨーク州ヨンカース工場でも実施される予定です。今回の追加発注により、合計1,175両のR211形の製造が確定することとなり、A、C系統などで運行されているR46形の置き換えが進められることとなります。

Source: MTA川崎車両

ニューヨーク市地下鉄初となる車両貫通路の本格採用は見送りか?
Image: Marc A. Hermann / MTA

2018年に発注されたR211形(535両)には、スタンダードタイプの「R211A形」440両、およびスタテンアイランド鉄道向けの「R211S形」75両の他に、ニューヨーク市地下鉄としては初となる車両貫通路(Open Gangway)を採用した試験車両「R211T形」も20両含まれています。

Image: Marc A. Hermann / MTA

MTAでは当初、第1次オプション製造分をどのタイプで発注するかについて、車両貫通路試験車両(R211T形)による乗客の流動性改善効果の試験評価を行った上で判断するとしていましたが、パンデミックの影響でR211T形の納車が遅れており、今回のプレスリリースにおいて車両貫通路についての記載がないため、全てR211A形として発注される可能性が高そうです。

※1米ドル=148円で計算

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